Appier Group(4180)のIPO新規上場情報

グローバルオファリング（公募については国内募集株式数 4,362,400 株及び海外募集株式数 4,738,600 株を目処に行われる予定。売出しについては国内売出株式数 2,203,000 株及び海外売出株式数 6,586,500 株を目処に行われる予定）

台湾発のAIマーケティング事業。採用会社が世界の大手企業に広がっており、その技術力は折り紙付きか？上場市場に日本を選んだのは何故？（ソフトバンクGの出資あたりが影響？）

既存株主はファンドだらけで売出も多い。業績は赤字継続もAI-SaaS系で売上増は魅力。価格設定から割安・割高の評価はしづらいところ。

イケイケのIPO相場ならかなり注目されて面白い結果になりそう。第一印象は大型ジャブジャブ系ということでB評価レベルにしたが、狙い目的にはA級可能性。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

台湾発のAIベンチャー企業。日本を上場市場に選んだ。
出資元にソフトバンググループが要ることでソフトバンク系として見られそう。

注目度自体は高そうで、3月の最終IPOとしては楽しみとは言える。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年12月度、連結予想EPSは-17.15円。
想定価格1,400円から計算される予想PERは約-81.63倍。

創業から赤字続きの状態での上場。期待感から投資するかの銘柄で割安性では測れない。
仮条件はやや強気にアップしていて価格面での条件は目をつむって投資となりそう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約264億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSMBC日興証券、みずほ証券、BofA証券の共同主幹事。

公募売出比率はほぼ半々。オファリングレシオは標準範囲。
グローバルオファリングで予定では半分以上が海外に配られる。
結果的に日本ではそれほど供給があるわけではないので希少性はあるように見える。

ベンチャーキャピタルや出資会社などからの投資が多数。各社売出しもあるが残す株も多い。
ロックアップも厳し目で180日、360日と段階的に付けるなど売り圧力を防いでいる。
（逆に言うとロックアップが外れて換金できるなら換金姿勢が強そう）

ストック・オプションの未行使残はタダ同然の1円価格で217万株もある。
こちらは確実に行使してきそうで強烈な売り圧力として意識したい。

ストックオプションは気になるが、海外のベンチャー企業ではよくある光景で成功した報酬と言えるだろう。

規模が大きく見えるが海外分配分が多いため、意外にも日本への配分が少ない。
結果的に需給面で供給がタイトな印象で、人気を考えれば需給面は買い旺盛になりそうと感じる。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

台湾初のAI系ユニコーン企業と言えば見る目が輝く方も多いだろうと感じる魅力がある。
台湾の天才集団がAI開発して世界の企業に採用され始めていると言えば投資してみたくなるのではないだろうか？

他のIPOとの比較をするならば昨年上場の「プレイド」のような雰囲気で、
別次元の感覚で捉えたほうが良さそうだ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

人気投票とも言えるIPOプライマリー相場では注目度が大事で、
こちらはかなりの注目度を持っている。
さらに海外配分が多いことで、見えているよりも需給面も良好で初値にも期待できそう。

結果的に意外に公募株の入手が難しく、初値は買いたい人多く高騰の可能性が含まれる。

株式市場、IPO市場の地合いの良さも継続しており、
3月末の段階まで維持できるかも大きな鍵となりそうで、
そこは予測が付かない部分。予測が付かない部分を気にしても仕方ないので、今の注目度で攻めたいところ。

ストックオプションの多さやファンドの持ち分が多いことなどからB評価にするが、
気持ち的にはかなりA評価に傾いているIPOと総合評価する。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です