ウイングアーク１ｓｔ(4432)のIPO新規上場情報

2019年3月、2020年3月に上場予定も2度中止になった3度目の正直案件。

2010年上場の１ｓｔホールディングス（2013年上場廃止）が変遷を経て再上場。
カーライル系ファンドの全数売出イグジットIPO。

業種・業績自体は悪くない。

3度目の正直で上場時の想定価格や売出数などは随分と改善されたように見られるが、そのことが参加者に納得行くものになっているか？

上場時は売出価格付近で落ち着きそうだが地合いが良ければ主幹事手腕が見られるか？に期待。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

3月IPOのスタートIPOの一角は3度目の正直の実質再上場案件ウイングアーク3rd。
もう既にイメージの悪さが付いてしまっておりIPO好調の地合いの助けでなんとかなるか？が焦点。

いろいろな意味で注目度自体は高いかもしれない。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年2月度、連結予想EPSは134.16円。
想定価格1,490円から計算される予想PERは約11.11倍。

仮条件は1,440円～1,590円と想定価格を内包した設定。
野村證券が主幹事というのもあり、高く売りさばけるなら売ろうという算段が透けて見える。

2度の上場失敗時から比較すると、大きく価格面の条件は改善しているのだが・・・。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約182億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証1部市場。主幹事は野村證券。

カーライル系のファンドが売り出す全数売出IPO。換金再上場案件。

上場後も他のVCなど残す。90日のロックアップありで価格解除要件はない。
ストックオプションの未行使残も多く、上場後400万弱が行使期間に入っている。価格は500～722円。
上場となれば我慢してきた分、早速行使したいところだろう。

上場時の買い意欲はかなり低めで、換金したい意欲が3度目の挑戦レベルで高い銘柄。
上場後の売り圧力もそこそこ潜在しており、やはり上場時の需給は悪いとしか言いようがない。
一応、東証1部への上場で一定数の買い、IPOならなんでもという雰囲気に期待。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

帳票関係のクラウドソフトウェア販売で古くからシェアを獲得。業務ソフトウェア系で業種自体は問題ない。
ただ、過去に上場して復活上場なので新規物的な魅力には欠ける。

前回上場から再上場にかけて、会社変遷もごちゃごちゃしており魅力を向けるというのも無理な話と言えそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPOの盛り上がっているところで3度目の正直上場がどうなるか注目度はあるが、
改めて考えてみると、わざわざ申し込むメリットのない銘柄。
初値が公募より少し上がる程度なら可能性があるかもしれないが、そんなリスクに飛び込む必要はなさそう。

特段の事情がない人はパス目線で、他の3月IPOを楽しむ方向性で行きたい。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です