ローランド(7944)のIPO新規上場情報

再上場案件。証券コードは[7944]で同じ。2014年にMBOで上場廃止。

グローバルオファリング。売出しについては国内売出株式数 5,562,300 株及び海外売出株式数 6,147,700 株を目処に行われる予定ですが、最終的な内訳は、売出価格決定日（2020 年 12 月 8 日）に決定される予定です。

再上場案件としては「雪国まいたけ」を連想。初値もそれ以降も厳しい内容だっただけに期待薄となりそう。

構造改革をして工場拠点を海外（マレーシア）に集約するなどしてきた。

世界的に有名な電子楽器メーカーだが、やはり再上場に関してはいいイメージが湧かず、第一印象ではパスしたい案件。

12月の上場ラッシュ時というのも厳しい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

言わずとしれた世界的電子楽器ブランド。知名度は高い。
しかし2014年に上場廃止、生産集約や事業整理など行い再上場。
過去のいざこざの残音が聞こえる・・・。

IPO的には再上場案件。ファンドイグジット案件は連続公募割れ中。
12月の上場ラッシュに入ると流石にしんどい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年12月度、連結予想EPSは148.13円。
想定価格3,260円から計算される予想PERは約22.01倍。

電子ピアノでライバルのヤマハと比べると安く映る。
仮条件は想定仮条件で出してきた2,810円～3,710円をそのまま出してきた。
幅が広く扱いに悩む状況。予定シナリオは安く決まって初値3,000円とかを目指してそうだが・・・。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約400億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証市場未定（1部予定）。主幹事はSMBC日興証券。

全数売出しによるIPO。売出し元は筆頭株主のファンド。
なお売出しの約半数は海外に行われるので海外評価も気になるところ。

売り出した後も筆頭株主のファンドが半分以上の株を残しており追加売りの懸念あり。
ロックアップは360日と長い。

ストック・オプションの未行使残は374円、413円でこちらも117万株程度あり行使可能期間。

海外動向も気になるところだが、まず上場日に再上場案件には買いが入りにくい。
いくら割安感があっても下げるイメージが強いため苦しいのではないか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「ローランドか？それ以外か？」なんて社名的には話題性も強く、知名度の高いブランドだが。
結局は電子楽器メーカーの一つで、事業は苦しい状態が続いている。

何かしら新規にヒットして復活したのではなく、なんとか再上場してファンドが売り抜けたいのが見え見え。
ローランドファンには申し訳ないが、魅力には欠けるIPOと考える。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

特にローランドが嫌いなわけではないが、直近の業績をみても上場意義がファンドイグジットしか見えない。
12月IPOラッシュの中ではお荷物感があるのが残念。

このところこの手の再上場・ファンドイグジットIPOは公募割れが続き冴えないことから
上場日も買いが入りにくそうな状況。さらに、より2極化が進みやすそうな上場スケジュール。

厳しい船出待ったなしといった評価しか下せない。

全体考察
総合得点は2点で、私のBBスタンスはD評価です