さくらさくプラス(7097)のIPO新規上場情報

2020年4月に上場予定もコロナ化の影響で中止。再登場のIPO。

4月からの変化部分
4月初期→4月仮条件時→今回
公募457,000→297,000→350,000株
売出402,900→296,300→327,400株
OA分128,900→88,900→101,600株

資金使途として開設予定保育所が13→14施設に。

少子化対策として政策テーマ性はある。また従来の箱物保育園から、不動産に柔軟対応した新しい保育所開発が目新しさの部分。

早期の上場再予定となったのは好感。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

4月に上場予定だったものが延期となり半年明けて復活。
前回は緊急事態宣言の中でもBB募集まで行い、上場強行の可能性も見えていた。

今回は規模を少し拡大してのIPO。結果的に延期したほうが良かったことになりそう。
2社同時上場で互いにそこそこの吸収規模なのは注意。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年7月度、連結予想EPSは264.35円。
想定価格2,230円から計算される予想PERは約8.44倍。

セクターはサービス業。保育園事業と考えれば予想PERには割安感あり。
設立後若い企業だが売上利益の伸びは安定している。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約17.3億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比は約半々。オファリングレシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ストックオプションの未行使残は330円で約60万弱の株が行使可能。
ストックオプションは上場後の売り圧になりやすそう。

保育所運営など施設が必要とするビジネスはIPOでも資金調達が大きくなりがち、
そのために初値上場の足枷になることが多い。

今回は20億弱だが、同日上場で人気を考慮すると需給が良いとは言えずそこそこ評価。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

特徴としては不動産をうまく立地の良い空き場所を得るなどして利便性追求の保育所運営。
箱物の形に拘らないところが新スタイル。社会的解決のビジネスとしても魅力は高い。

ただ、投資家層にはあまり刺さらないビジネスで期待する人は限定されると感じるところもある。
頑張ってほしいけど、お金はあまり集まらない可能性もあるという業種という意識。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

政府の少子化対策もあり、政策テーマ性も高い業種となっている。
ただ今年上場したキッズスマイルHDが、現状の株価で公開価格割れなど業種全体が冴えない。

ここの特徴は最適立地ということで不動産業のノウハウ的なものもありそうだが、
その不動産業も人気と不人気で動きが大きい業種ということで判断が難しい。

初値自体は地合い次第で、今のIPO好調が上場日まで続くとすれば特に問題なくスタートしそう。
地合い急変が起きないことを期待。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です