日通システム(4013)のIPO新規上場情報

企業向け基幹システムは人気業態。
ただ、マザーズ上場もIPOらしさがないオールド企業。上場規模も大きい。需給面や先進的な技術や伸び期待の買いは入りづらい。

そのため想定価格に割安感があれば有り難いのだが、一目レベルでは野村證券主幹事らしい強気の値付けが感じられて残念。

全数公募は好感。

結局、IPOの地合いに大きく引きづられそうで直近IPOの動向に注目してBBスタンスを検討したい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

10月中旬のやや大型マザーズ上場。人気のビジネス管理ソフト系IPO。
規模が大きく苦しい結果が予想される前のIPOの繋ぎでどうなるか？

上場タイミングとしては10月中旬の単発上場でベストタイミング。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年12月度、連結予想EPSは52.7円。
想定価格2,880円から計算される予想PERは約54.65倍。

やや強気の価格設定で割安感はない。さらに仮条件も主幹事野村得意の強気。
どちらかというと割高な印象は否めない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約82.8億円（想定価格ベースOA分含む）の中～大型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事は野村證券。

売出なしの全数公募。オファリングレシオも標準範囲。
成長企業が全数公募でIPOは評価したい。

ベンチャーキャピタルからの出資は1社、ロックアップが90日or1.5倍解除で掛かっている。
ストック・オプションの未行使残はなし。

気になるのは吸収規模の大きさだが、全数公募であるし上場後の売り圧も少ない。
需給面はそれほど悪くないと見て、公募株には価値がありそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

業種は人気の高いクラウド型業務基幹システム系。社歴が長く安定感もある。
ベンチャー企業で同業種が増えてきているが、最新のシステムにも対応していそうで運用も悪くない。

直近でも成長し続けていることから上場して、まだまだ伸びしろはあるのではないかと感じる。
若干、成長が見込まれた公開価格になりそうなことを除いては魅力は高い。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

10月の大型一大イベントが終わったあとのIPO。
吸収規模が大きいながらも、需給面や人気などでしっかりとした結果を残しそうな銘柄。

また想定価格や仮条件は、成長性がかなり織り込まれているので割安感は皆無。

それでもIPO人気で初値が伸びる銘柄が続く中では、まだまだ高値圏でも買える印象。
業種と業績がしっかりとしていることから需給良好で初値はプラスで始まりそう。

案外プラスにならなくても固いIPOとして評価したい。
主幹事野村證券でも、それなりに配分の可能性がありそうなのも評価。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です