Ｉ－ｎｅ(4933)のIPO新規上場情報

想定仮条件（2,050円～2,890円）

ヘアケア商品ボタニスト(BOTANIST)がヒット。事業に対する吸収規模が大きいのは気になる。

今後の期待度が上場時にどう反映されるかが鍵。現状の商品群では売上頭打ち感ありだが、今後もヒット商品を出せそうな経営手腕が評価されるか？

想定価格には期待度込みでやや割高感を感じる。仮条件表示となっているので、仮条件発表では思い切った値下げの可能性もある。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

化粧品や健康食品のファブレスメーカー。化学セクターだが、小売業の印象。
ボタニストはヒット商品で、一気にドラッグストアなどの売り場で進出。

デジタルマーケティングに強みを持っていそう。
9月末の上場ラッシュの中では、注目度の点では弱い。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年12月度、連結予想EPSは123.63円。
想定価格2,470円から計算される予想PERは約19.98倍。

売上横ばい傾向で成長性の難しさを考えると、
想定価格は軽いディスカウント程度となっている。
仮条件は超強気に引き上げているので、脚元の人気は強いのかもしれない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約60.8億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比は4:1で公募が多い。枚数も多くジャブジャブ系。
吸収額が大きいのが気になるが、資金使途はブランド価値向上、海外展開などに使われる。

ベンチャーキャピタルからの出資があるが、株数は多くない。ロックアップが掛かっていない。
ほぼ社長とその資金管理会社が株を占めており、上場後直ぐの売り圧は乏しい。

一方、ストック・オプションの未行使残の100円行使30万株ほどは行使期間に入っていて警戒。

需給面で気になるのはやはり業種に対する吸収規模、時価総額の大きさか？
初値に関してはあまり期待しないほうが良さそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

実はシャンプー・リンスのボタニストは我が家でも使っていて、いつの間にか他社のヘアケアから
入れ替わっていて定番になっている。品質とコスト感が絶妙なところで、商売上手なところは伺える。

非常に分かりづらいシンプルなパッケージで、替えのシャンプーとリンスを買い間違えやすく、
ストックが増えたりするのだが、腐るものでないので結局リピートする仕組みとも感じられる。
シンプルパッケージは世の奥様方にはかなり好評なのではないか？

今後も美容系などで、絶妙な品質とコストの隙間を突いたところでヒット商品を出す可能性はある。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPO初値視点で見ると、需給面（吸収規模の大きさ）がやや不安な銘柄。
地合い次第では思わぬ結果も考えながら狙っていきたいIPO。

枚数が多いので当選期待が高いことを考えれば、ようやく多くの方に利益が訪れそうなIPOとも言える。
ヘアケアセットなど株主優待新設などの期待もあるので、先々の株価対策もありそう。

初値のリスク・リターンではやや危険な部分もあるが、
参加出来る可能性の高さ（妙味）を考えると評価を上げて第一印象のC→Bへと格上げ。

うまく3,000円台の初値スタートになって欲しい。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です