雪国まいたけ(1375)のIPO新規上場情報

再上場案件(2015年に上場廃止、当時は東証2部上場)
最大ライバルの同業他社は「ホクト（1379）」
恐らく売り出し価格設定はこちらに比較してディスカウントしているというつもりとなりそう。
ベインキャピタルのTOBからはかなり価格が上がっているイグジット案件。

正直、この時期にこの手のIPOに買い手が集まるかはかなり疑問。

仮条件引き下げで極端に安い印象や、上場後に安く感じる水準なら買うという人が多そう。

株主優待導入。3月末だが6ヶ月以上保有必要有りで9月末での保有実績必要。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

9月のスタートIPO。バブル的な盛り上がりを見せているIPO市場で、
大型再上場案件が出てくるのはなんとかなるかもといった連想さえさせる。

ただ、規模感・業種などを天秤にかけると注目度は足りない印象。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年3月度、連結予想EPSは127.96円。
想定価格2,330円から計算される予想PERは約18.21倍。

同業他社（食品系）とのPER比較では、ほぼ標準的な価格設定。
もう少しディスカウントが欲しいと思っていたところに仮条件上限は想定価格超え、
IPO需要の高まりの方を感じてしまい、割安感では劣るようになっている。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約473億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証市場未定（1部予定）。主幹事は大和証券とSMBC日興証券の共同主幹事。

公募0の売出IPO。売出元はベインキャピタル。
上場後はベインキャピタルと神明HDが多くの株を保有して支配する形。
ロックアップは価格解除なしの180日ということで上場後の売り圧は少なそう。
ストック・オプションの未行使残も株数が7.6万株程度と少ない。

ファンドによるイグジットIPOで、随分とファンドが儲ける印象。
それでも買い手が付くほど人気になるか？が焦点だが規模感的には難しそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

業績に関しては安定的に推移。キノコ需要も食料品は本質的な部分なのでコロナ禍でも問題なし。
ただ、逆に言えば成長性期待がしづらい銘柄でIPOらしさはない。

イグジットIPOで随分と高値でファンドが儲かる事実に目を背けづらい。
株主優待で高級箱に入ったキノコ等があるようだが、果たしてそれで釣られる人がどれだけいるか？

悪くない会社だと思うが、魅力に関してもそれほどないと感じる。
個人的にキノコは好きだが、別にホクトでも雪国まいたけでもどちらでも良いので・・・。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPO追い風からか再上場案件で強気の仮条件をしてきたところで、
評価の押し引きが難しくなっている印象。ただ、仮条件の幅は広く上限決定されない可能性もある。

一番デメリットに感じるのが、キノコ業で特に新規性が無いため成長期待が低い部分。
IPOで人気が出るのは、やはり成長期待からの過剰需要だろうから上場初値は厳しくなりそう。

IPO追い風であったり、好都合なスケジュール（前のIPOから2週間の空白）で初値プラスの可能性はあるが、
リスク・リターンがIPO公募申込時には、あまり妙味がないという結論。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です