HPCシステムズ(6597)のIPO新規上場情報

パット見ではディープラーニングとかAI系と思いきや、セクターは電気機器。ハード・ソフト・コンサルなど幅広くやってそうだが、ハード卸がメイン。
初値的にはそれほど伸びない業種か？

業績は近ごろのHPC需要の増加からか好調。

筆頭株主の売出IPOでイグジット感あり。吸収規模も大きく売り圧力高め。

初値期待はそれほど無いが、内容が悪いわけでもないので、参加姿勢が悩ましいIPOになりそう。とりあえず欲しい気持ちだが、他のIPOの出方次第でマイナス評価されそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

HPCはhigh performance computerのことで、近年AI,ビッグデータ解析の需要の高まりで話題性あり。
しかしながら、ここはセクター「電気機器」が示すように、どちらかというと卸屋さんの印象なので注意。

上場タイミングは９月は例年銘柄数が多い中、今年は控えめ、
その中でも、単独で最終上場となっているのは良いタイミングと言えそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年6月度、単体予想EPSは75.73円。
想定価格1,930円から計算される予想PERは約25.49倍。

業績や増収増益を予定しているが、成長率が緩やかな印象。
価格設定的には妥当なところか。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約61.7億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比98.2%とほぼ売出しIPO。売り出し元は投資ファンド。
オファリングレシオも非常に高く78.2%と上場とともに株主が変わる印象。
ファンドのイグジットに付き合って、この先の成長に期待できるか判断したい。

上場後のロックアップは180日ときつめでカバー率も高い。
ストック・オプションの未行使残は100円価格で20万株強が行使可能となっており、
やや大きめの売り圧力が潜在していると考えておきたい。

需給面では売出量が豊富ということから吸収規模の大きさが気になるところ。
一方、上場後は売り圧力に乏しいので、注目度で規模を支える買い需要が出るかどうか？
決して需給が良いとは言えないので、中立で評価。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

HPCはまだまだ需要の高まりを見せそうで魅力はあるが、大手電気機器も同じことはやっている筈。
大手老舗企業が情けない状況なので、こういった小型企業が入る余地が出てきているか？

足元の業績がしっかりと伸びているのは魅力的に感じる。
一方、表面的な「HPC」「ビッグデータ」「AI」といった言葉が出るが、新技術の開発をここがしているわけではないので注意。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

規模が大きくても、見た目上の注目度で初値がプラスになりそうで、妙味の高いIPO。
実態は他企業へのHPC卸であったりサポート業だが、それでも高い知識の人員は必要。
現時点ではいろいろな分野で必要とされる確率が高そうで評価できる。

現状でも業績は素直に伸びており、すでに引き合いがどんどん増えていそうなのは評価。
ファンドのイグジットIPOとなるが、ここで株主交代ならばまだ買えるのではないか？

上場日も9月の最終上場だが単独上場。
9月の上場銘柄数がそこまで多くないことから買い疲れ感もそれほど出ないのではないか？

初値高騰とはいかなくても、吸収規模が大きいながら比較的安心して参加できそうなIPOとして
B評価の「欲しい」として積極参加したい。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です