Sansan(4443)のIPO新規上場情報

IPO観測が兼ねてからあった注目企業。
蓋を開けるとファンドイグジット案件。売出しの一部は北米を除く海外に売り出される模様。

業績は売上伸びるも、連続赤字垂れ流し状況。翌期黒字反転ともされず上場承認も不可思議レベル。

注目していてビジネスモデルも面白いだけに、うまく上場してほしかったが第一印象では厳しい評価をせざる負えない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

かねてから上場が観測されていた名刺管理アプリサービスなど。
ビジネスにおける重要なビッグデータを持っている点で注目度がある。

TVCMも良くしていて、利用者も拡大してシェアNo.1と寡占しているのは大きな部分。
上場時の想定価格で時価総額1000億超えのユニコーン企業だが、勝手にユニコーンに見立てて盛り上がっている様相も・・・。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年5月度、連結予想EPSは-42.25円。
想定価格4,075円から計算される予想PERは約-96.45倍。

2019年で黒字の見込みなく、連続赤字を継続中。これで上場できるのは問題か？
また、仮条件を引き上げてくるという、さらにややこしい展開になっている。
割安性で見るようなIPOではない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約351億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事は野村證券。

売出株式比率93.3%のファンド売出しイグジット案件。
オファリングレシオは28.9%で高めだが標準範囲。逆に言えば、まだ売り玉残る印象。

ベンチャーキャピタルの保有数が多く、上場までに資金集めしすぎている形跡が残る。
上場時にイグジットがたくさん見えるのは仕方がないが、それでも赤字上場は公募組は買いにくい。

似たような大型上場の戦績が軒並み悪い中で、ここが期待感で上場時に初値が上がると期待するのは難しい。
いつも以上に警戒感は強くなっていると思うが、それでも同じように次は違うと期待する層も多いのも事実。

まぁ、需給面で言えばはっきり言って最悪レベルに評価。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ビジネスにおける重要なデータを持っているというのが魅力。LINEやウォンテッドリーなどが参入しているが、
Sansanが寡占状態なので、うまく収益化が出来れば大きなビジネスチャンスとなる。

ただ、売上は伸びているもののまだ黒字化出来ていない点が厳しい。
面白いビジネスをやっているとは感じる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件が強気となり、憶測が憶測を呼ぶ非常に難解なIPOとなった。
このようなイグジット案件で痛い目にあい、もう懲り懲りという方はパス案件で良いだろう。

仮条件発表前までは、ビジネス的には面白いから初値に期待せず、
公募組が安値で投げたところで、拾えれば面白いIPOだと思っていたが状況的に分からなくなった。
安値で拾いたい人が多い→結局安値で拾えない→初値公募割れ回避の流れもあるかも知れない。

しかしながらハイリスク・ローリターンの印象なので、美味しさに欠けるIPOの評価は変わらない。
結論としては、やはり売り出し豊富なイグジット案件の評価。回り回って初値期待で参加するのは控えたいところ。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です