オーウエル(7670)のIPO新規上場情報

売上横ばいの地味系産業で東証2部らしい企業。
IPOではやや不人気な印象。初値も上がりづらい。

売出なし、公募はすべて自己株処分。
上場の仕方や手垢のついてない割安感はある。初値高騰はしずらいが、ローリスクな印象は好感。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

注目度では分が悪い12月唯一の東証2部上場。
同日上場ありだが、片方も札証アンビシャス極小なので影響は軽微。

それよりも12月の上場ラッシュが始まる中での選別色があればマイナス影響の注目度。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年3月度、連結見込EPSは109.09円。
想定価格700円から計算される予想PERは約6.42倍。

売上はほぼ横ばい傾向も仮条件からはしっかりとしたディスカウントを感じる。
安定感からはIPOなりの割安感を出してきた模様。ただし、仮条件はやや強気。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約13.1億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証2部。主幹事は大和証券。東証2部上場としては小さめの上場。

売出なしの全数公募によるIPO。オファリングレシオは低めの適正水準。

ベンチャーキャピタルによる出資は見当たらず、関連会社らしいペイント系会社や銀行出資がメイン。
筆頭株主は従業員持株会という状況。
ストック・オプションの未行使残もなし、持株会がストック・オプションみたいなものか？

健全な持株比率や、東証2部にしては吸収金額が小さいことを好感。
上場時の需給は、東証2部ながら良いと見る。
ロックアップは1.5倍ですべて外れるので、プラスならなんの問題もないが一応の注意。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

セクターは卸売業。塗装関係に強く、そこからいろいろと薄膜技術を活かした派生ビジネスもしている。
安定的な業績や配当もあるのは魅力。他の上場企業と比較して安いなら持てるという状況か？

人気化はしないだろうし、成長性の魅力は新製品のデバイスの部品として採用などあるか程度か？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

東証2部上場銘柄は初値は上がりにくいが、内容は悪くない銘柄。
IPOプレミアム程度の割安性や、吸収金額も大きくないことを考えるとそこそこの好スタートも期待できる。

なお、今年の東証2部上場銘柄は２勝２敗となっているが、２勝はいずれも吸収規模10億台レベル。
今回も２勝に近い内容となっており、その場合は1.5倍程度まで伸びている。
時期の違いから、そこまでは行かない可能性の方が高いが安心できる材料か？

第一印象はC評価にしましたが、内容を見てB評価に一段階上げました。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です