証券会社ではよく利用する人(大口取引)に対して、手数料無料化や信用金利の引き下げなど、さまざまなVIPプランを用意しています。今回は各社のVIPプランの適用条件とその内容をまとめてみたいと思います。
達成条件などやその優遇に差があるので、皆さんの資金状況や取引状況によってそれぞれ適した証券会社がありそうです。是非チェックしてみてください。
まずは一般信用取引売り玉銘柄数が豊富で、信用取引するならカブドットコム証券で手数料無料になる優遇プランにしたいところなので、カブドットコム証券から紹介します。
カブドットコム証券 のVIPプランは「信用プラチナプラン」「信用ゴールドプラン」の2種類です。
2018年7月)適用条件の緩和で適用しやすくなりました
【適用条件】前1ヶ月の建玉or新規約定代金が規定以上
ゴールドプランでも残高3億円or新規約定4億以上なので結構取引が必要といえます。1ヶ月20営業日として1営業日2000万程度新規建約定レベルです。
【優遇内容】信用取引手数料0円、制度信用、一般信用の買い方金利優遇(ゴールドで0.3%、プラチナで0.92%)
適用条件はやや厳し目ですが、何と言ってもカブドットコム証券は一般信用の売建銘柄が豊富なので、逆日歩リスクを抑えて空売りが手数料無料で出来る恩恵は大きいです。
取引手数料勝負だと使いやすさでも上位のGMOクリック証券を利用する人も多いと思います。GMOクリック証券はもともと取引手数料が安いですが、さらにVIPプランで手数料無料などの恩恵があります。
【適用条件】信用建玉5億以上or決済約定5億以上or未決済建玉平均1億以上or貸株残高平均1億以上
適用条件が4つのうち1つの条件クリアで良いのですが、なかなかどの条件も厳し目です。GMOクリック証券はVIPプランでなくても手数料は安めですので、VIPプランを敢えて目指すというよりかはおまけ的な扱いかもしれません。
【優遇内容】信用取引手数料0円、制度信用の買い方金利優遇(1.9%に)
個人的にはVIPプランを目指すのであれば他の証券会社で、VIPほど取引しないけど手数料を安くしたい人はGMOクリック証券の利用が効率的ではないか?と思っています。
実は結構狙い目と感じるのが岡三オンライン証券の優遇プランです。というのも条件に投資信託の平均残高というのがあり、その残高金額が他社より低めの設定です。
【適用条件】株取引の売買代金規定以上or投資信託の平均残高規定以上
取引売買高は5億や20億なので他社と変わりません。ただ、投資信託であれば1000万or3000万と基準が億ではなく万まで下がります。岡三オンライン証券では投資信託の残高を代用金に出来ますので、無駄なく資金を貯めておけるメリットがあります。
また岡三オンライン証券では投資信託で「ZEROファンドプログラム」というものを用意しており、ノーロード以外の投資信託でもキャッシュバックがあり、他社よりも同じ投資信託を買うならお得です。
もし投信などで積立で1000万や3000万を超えそうなら岡三オンライン証券に預けておくとお得に取引が可能になります。
【優遇内容】信用取引手数料無料または割引、IPO抽選優遇ステージ適用
優遇内容に信用金利引下げはないですが、その代わりIPO抽選でのステージ制でランクが上がり抽選で有利になります。こちらも独特で面白いところです。
投資信託になりますが3000万程度のまとまった資金を預けられるなら、手数料無料で投資信託を代用にしながら取引ができてしまいます。
ネット証券最大手のSBI証券も大口取引優遇はあります。ただ、あまり大きく紹介していないですしサービスとしてはそれほど押しではないのかもしれません。
【適用条件】未決済建玉5000万以上or当日信用取引約定代金5000万以上
建玉5000万以上で手数料無料化と考えたいですね。月ではなく毎日判定されて翌日約定分の手数料が0円になります。
【優遇内容】信用取引手数料無料
毎日判定というのが特徴的で平均建玉5000万円ぐらいのレベルで取引を継続するという方には合いそうな大口取引プランです。
SBI証券もあれば楽天証券も当然大口優遇は用意しています。楽天証券の方が条件が複数あったりポイントバックもあって内容はいいです。
【適用条件】(まいにち判定)未決済建玉5000万以上or当日信用新規約定代金5000万以上or1ヶ月の新規約定5億円以上。(まいつき判定)貸株1ヶ月平均残高5000万以上、投資信託1ヶ月平均残高5000万以上
判定が毎日と毎月あります。また貸株や投資信託の残高が適用条件に入るなど幅広いです。資金のある人ならまずは貸株か投資信託で条件を満たして、その後は取引約定代金を満たしてしまうとスムーズに大口優遇を受けられそうです。
【優遇内容】信用取引手数料無料、現物取引手数料割引、ポイント還元率1%→2%にアップ
条件を達成すれば3ヶ月間、大口優遇というのも特徴の一つです。つまり一旦、貸株などで条件を満たせば3ヶ月間はその条件から残高が下がっても大口優遇を受けられます。期限が切れそうな時に信用取引を豊富にして再度条件を満たしたり、貸株の移管などをすればずっと大口優遇継続を資金効率よく受けられそうです。
ライバルのSBI証券に比べると、確実に大口優遇は頑張っていますね!
VIPプランや大口優遇などは手数料勝負のネット証券の得意とするところでライブスター証券もキャンペーンということで大口優遇をしています。
【適用条件】新規建約定合計5億以上or信用残高5億以上
判定期間は1ヶ月で5億という金額は少し大きいですね。ライブスター証券ももともと信用取引手数料が安いので大口優遇はおまけと言うか、これ以上安くするの?的な感覚です。
【優遇内容】信用取引手数料無料、信用買い方金利2.3%→1.8%
買方金利が下がるのは大口さんにとってはボディーブローのように効いてくるコストですので助かりますね。なお、キャンペーンということで期間が限られていますが、今のところ毎回延長して続けています。
条件などをみてもやはりGMOクリック証券を意識していそうな感じです。
ぱっと各社のVIPプラン(大口優遇)をまとめていました。ここに載っていない証券会社でもたまにキャンペーンなどで優遇したりもしていますが、上記掲載の証券会社が大口優遇を目指すならというところです。
最後に特徴をまとめてみると
カブドットコム証券 ・・・一般信用売建を使いたいならここでVIPプラン!
GMOクリック証券 ・・・VIPまでの手数料が安く、使いやすさ重視の人は!
岡三オンライン証券 ・・・投信残高1000万~と比較的安目の条件で狙いなら!IPOも優遇!
SBI証券 ・・・PTS取引とかいろいろサービス欲しいなら、後は資金量豊富ならIPOも当たりやすい
楽天証券 ・・・VIPプラン適用が多彩で、条件満たすと3ヶ月適用は長い!
ライブスター証券・・・GMOクリック証券を明らかに意識、手数料を最初から削減したいなら
こんなところでしょうか?各社の特徴をみて自分にあった取引スタイルや資金量で大口優遇を目指してみるのも良いでしょう。個人的には資金量が少なめの人は岡三オンライン証券から進めて、資金が増えてきたらSBI証券やカブドットコム証券といったサービス面で使えるところを目指すスタイルが良いと思います。