学びエイド(184A)のIPO新規上場情報

インターネット教育サービス事業。短尺・高品質コンテンツを豊富に作り、現代的な学習材料として伸びている。最近は教科書を作る出版社と提携して出版物デジタル化（DX）事業としても注目。GIGAスクール構想のテーマ性も高い。

業績はグロースらしい伸びで期待感高い。またPERで見ても割安感があり、公募で買いやすい。

隙間になりやすい5月にSBI証券主幹事で優良IPO登場となれば期待できそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2024年5月唯一のIPO。2024年は4月に入りやや不調となった地合いだが、
一ヶ月程度上場が空くことで上場タイミングとしては良さそう。空いた分、注目度も上がる。

教育系だがデジタルコンテンツが主流でeduTech（エドテク）として見られそう。
セクターもサービス業ではなく「情報・通信業」となっている。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年4月度、単体予想EPSは55.93。
想定価格970円から計算される予想PERは約17.34倍。

業績や注目度から考えると妥当な内容。
数年前なら高予想PERでも十分だせた業種だが、最近は控えめ。このあたりはコンサル系やDX系と似た傾向。
妥当な状況に落ち着いており、特に問題ないとみる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約8.16億（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事はSBI証券。

売出株式比率75.4%と売出やや多め。オファリング・レシオも標準範囲からやや高めはみ出す程度。
筆頭株主が4分の１売り出す他、VC勢も２割放出や、全数売り出すなどあり。
それほど高くない公開価格で一旦、イグジット姿勢を見せている。

ベンチャーキャピタル放出後もそれなりの枚数が残るのは気がかり。
ロックアップもVCには１．５倍解除があり、上場時売り出しが強いことを考えると追加売りも早そう。

ストック・オプションの未行使残は150～500円、上場時参入91,600株。
株数は多くないもののこちらも売り圧には計算しておきたい。

吸収金額が小さいため需給面は初値視点では問題ないが、
株価上昇時には潜在売り圧が多めという印象。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

教育改革、エドテクを意識すると魅力のありそうな事業をしているが、
業績推移を見るとなかなか苦難を乗り越えて上場してイグジット感もあるので、上場後の評価は判断しづらいところ。

教育分野というのは既存のビジネス（既得権益）の抵抗や馴れ合いなど、なかなか新しいものは受け入れにくい部分もあるので、
上場してこれからという部分でも、どこまで発展するかというのは不透明感もある。
今のところは塾のサービスニーズを掴んでいそうで、出版業界のDX化などうまく進展して欲しい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

今年は1社しかない5月のIPOで、それが主幹事SBI証券ということで期待感は強くなりそう。
吸収金額も小さく、価格設定も問題のない内容であることから初値は安心感あり。
一方で、どこまで高騰するかについてはロックアップ解除の1.5倍も意識される状況で、
上場後の業績推移も不透明感は強く判断が難しくなりそう。

総合評価としてはB級評価とする。

個人的には斜陽と言われている出版業界でしかも教育系は、保有しているコンテンツは良いものが多い筈。
そこにこういった企業がメスをいれることで教育DXが進むことは期待したいと思っているが、思惑通りに行くかどうか・・・。
IPOの地合い好転のためにも活気づいて欲しいところ。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です