早稲田学習研究会(5869)のIPO新規上場情報

全く新規性を感じない学習塾の上場。奇しくも「早稲田」と名前の付いた学習塾チェーンは上場していることから紛らわしさすら感じる。

売出比率が高く創業者のイグジットIPOで、初値は期待薄。

しかしながら価格設定は割安感があるためIPOではなく学習塾系の上場株が割安で買えるチャンスのイメージで取り組みたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

IPOでは地味系も良いところの学習塾の運営。
上場する意義は非常に薄く、創業者の現金化IPO。

厳しい目線での注目度とはなりそううだが、最近のIPOは成長系よりもバリュー系が強い。
この傾向を考えればこの手のIPOの方が安心感があるとも判断されそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、単体予想EPSは106.72。
想定価格910円から計算される予想PERは約8.53倍。

少子化と言われる中、緩やかに成長していることを考慮すれば買いやすい。
上場同業種とPER比較で測ればかなり割安感あり。

野村證券主幹事で仮条件を上げてきてはいるが、それでも安い。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約35.6億（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証スタンダード上場。主幹事は野村證券。

売出株式比率95.6%とほぼ売出IPO。オファリングレシオも高め。
売出元は創業者の大放出（既存株主2名、代表とその資産管理会社）。

ベンチャーキャピタルからの出資はジャフコが出資、半数を売出。
どうもジャフコが入っていると先売り懸念が強く見られやすい。

残りにはロックアップ９０日が掛かっており価格解除はない。
高値で売出を何回もしてきそうな雰囲気はあるが、如何せん公開価格の割安感は評価。

ストック・オプションの未行使残はなし。

地味な業態のIPOで吸収金額30億超えは大きいものの、価格が大バーゲンセール。

主幹事も野村證券ということである程度は熟すかもしれない。

ただ単純に需給面評価だけみると他のIPOと同列にみれば悪いとしてみたい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

似たような社名の学習塾チェーンがあるぐらいの業種なので、人気化は厳しい。
また、ここが特別新技術とか持っているような内容もないので、業種に対する魅力は薄い。

一方で公開価格の価格面での割安の魅力はある。
初値が需給の影響で厳しかったとしても、ここまで数値的に割安評価できて、すぐにヘタるような業種でもないので買いやすい魅力あり。
予定配当52.8円（24年3月）はなんと配当利回り6％程度になる。IPOではなかなかないレベル。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

創業者の換金イグジットIPOだが、その分バーゲンセールのような想定価格。
これをどう評価するかだが、近頃のIPOは成長期待で高く見積もられているものよりも、
比較的割安感を出して上場する銘柄のほうが安心感がある。

吸収規模的には需給面で初値は伸びなさそうだが、比較的中長期で持てるのであれば買いやすいのがメリット。
上場後に買っても十分間に合いそうな銘柄だが、公募株に申し込んでも悪くはない評価。

とりあえず最終C級評価とするが、主幹事野村證券で案外配分が厳しいことを考えれば、
ダメ元で申し込んでおいても損はないレベルと見る。
初値売り向けではなく、中長期保有向け。ただし先買い（公募買い）することで、すぐに利益が出ればそれはそれでラッキー銘柄。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です