ケイファーマ(4896)のIPO新規上場情報

SBI証券主幹事。黒字化したバイオベンチャーの上場。公募オンリーで売出なし。他のバイオIPOに比べるとかなり公募組に配慮されているIPOスペックと感じる。

研究内容は「神経細胞の再生」。iPS細胞の活用の一つとしても行える。病気としての対象領域は「ALS、脊髄損傷、脳梗塞など」

マイルストーン収入があり実現可能性の高さは魅力の一つか？とは言ってもバイオ案件なのでギャンブル的という部分は変わらない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

慶応義塾大学発のバイオベンチャー。神経損傷回復。遺伝子に「musashi」と名付けるなど日本感。
さらにiPS細胞の活用も行うことから、話題性があれば注目されそうではある。

IPO地合いの観点からすると、急速に悪化中なのでバイオベンチャーは煽りをうけて不人気になりやすいところ。
地合いの影響が非常に気になるところ。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、単体予想EPSは17.69。
想定価格1,040円から計算される予想PERは約58.79倍。

研究開発が進むことによる一時金10億を受領して黒字化達成。
バイオで黒字化で上場は割安面、価格面で言えばかなり大きい好感材料。

公開価格が1,000円以下という設定だったら、もっと買いやすく人気が出た可能性・・・。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約20億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSBI証券。

売出０で全数公募。オファリングレシオは低めの標準範囲。

既存株主にベンチャーキャピタルは並ぶもののバイオ銘柄では仕方のないところ。
上場時に売り出さないため、上場後の売り圧が残るのは懸念点。
ロックアップは1.5倍で解除があるため、1.5倍は警戒感も出やすい。

ストック・オプションの未行使残は70円で118万株。行使期間は2024年8月以降。

バイオIPOの中では全数公募で参加しやすい内容となっているが、
IPOの地合いが悪い部分がなんとも影響しそうで判断が難しいところ。

評価的にはバイオの中では需給はそれほど悪くない（公募株にメリットがある）としたい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

一定数いそうなバイオ好きにとっては、「神経細胞再生」「iPS細胞活用」などは好きなテーマになりそう。
さらに研究が進んでいて一時金も受領しており、先々も他のバイオベンチャーに比べて信頼感がある。

一方、やはりバイオベンチャーはギャンブル感が強い。
そこに来てIPOの地合いが悪くなっており、そういう時期に不安定な銘柄に手を付けるのはやめようと参加者が減る懸念はある。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

年に数件出てくるバイオベンチャーIPOの中では、黒字での上場。研究内容にも面白みなど期待感は強いタイプ。
さらに売出無しで全数公募のため、上場時に公募で参加する側にとってもメリットは高め。

IPO地合いが良ければB評価よりのC評価あたりだったが、微妙銘柄は軒並み公募割れしているIPO地合い。
さすがにバイオIPOのギャンブル性の高さを考えると高めの評価はしづらいところ。最終C（4）評価とする。

期待値で見れば、勝ち負けで少し勝てる可能性が高い程度６：４レベルの投資に参加するか？といったところ。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です