グリッド(5582)のIPO新規上場情報

もともとは再生エネルギー事業でスタート。一時期盛り上がった事業だが、エネルギー価格上昇などで不振の業種状態に、ここはAI開発でAIソリューションに舵を切って、業績アップに成功。

AIに本格的に取り組んで短期間で黒字化しているのが特徴で、これは他のAI系企業にはない素晴らしさ、目論見書にも仮想実証実験なしで本番環境に持っていけるスピードをアピール。

業績遷移からすると、今回のIPOの価格設定が割安に感じるのでありがたい。

後は例年以上に6月下旬からの連続IPOが地合いにどう影響するか？テーマ性が高く出れば初値高騰も期待できそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

もともとは太陽光発電システムの販売・開発。
そこから得た見地を元にAI技術にシフト。見地が仮想検証なしでも
実行フェーズに持っていけるスピードが特徴。AIというテーマ性で注目度ありそう。

上場日も７月上旬。さらに七夕上場となった。
７月７日の七夕上場にあまりアノマリーがある訳では無いがイメージは良い。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年6月度、単体予想EPSは52.27。
想定価格1,790円から計算される予想PERは約34.25倍。

足元の業績の伸びが良く、成長を見込まれた価格設定となっている。
比較対象とAI活用・コンサル系にすれば軒並み３桁PERが並ぶ分野なので割安感は出る。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約23.6億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券。

公募売出比は3：1程度で公募が多い。オファリングレシオは高めの標準範囲。

既存株主には大手商社などが並びガッチリ。ベンチャーキャピタルの出資は見当たらない。
ロックアップは90日でしっかり。寺島 敬臣氏の持ち株はストックオプションによるもの。
行使価格128円だが信託型で上場後の状況によって割当が変わる条件。

基本、上場時の既存株主系の売りは０。

需給面は問題なさそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

なかなか実践的な経済合理性まで行かないのがAI技術の中で、ここはインフラ技術経験者の知識を加えることで、
AIによるスピード合理化を可能にしている。当然、結果が早く表れるため人気があり業績も好調。

インフラ業界で分かりやすくAI導入のスピード感を実現したことから、
今後も様々な業界で、こういった仮想検証抜きでAIコンサルは増えていきそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

AIに舵を切って成功した例。業種も限定的にAI導入することで対応が早いのが特徴だが、
この企業自体も業態を素早くシフトさせてスピード成長して上場というのは見所ありと言えそう。

少し前までは太陽光発電など新電力が流行りで、その名残もあって社名がグリッドというのも面白い。

６月末のIPOラッシュから７月の上旬まで多くの上場が続くが、
ここで一旦空白期間が出来ることから「掉尾の一振」にも期待。
思っているよりも初値が高くなる可能性を見込む。総合評価自体はAよりB評価とする。

初日の上限は2,140円x2.3倍で4,922円。5,000円近くのラインが見えてくる。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です