ベースフード(2936)のIPO新規上場情報

完全栄養食として「パン」で知名度高い。コンビニやネットショプでも人気で評価高い模様。
未来感あるフードネーミングで人気を作っている模様だが、よくよく考えると「完全」というわけでもない栄養要素であったり、他社も同等商品を出してきている時代なため飽きられて萎む可能性はあり。

一先ず上場時点での注目度は高そうなので、どうでるか？

業績は売上高の急成長は目を見張る物があるが赤字拡大は大丈夫なのか？ここまで売上急拡大ならば黒字転換がもっと出来ても良いはず。

類似業種比較でフルッタフルッタあたりが出てくると、どうも不安になる・・・。

注目度は異常レベルで高そうだが、予想会社などの辛辣な評価なども含めて総合的にBBスタンスは判断したいところ。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

完全栄養食という鳴り物的な事業。ベースフードという社名などネーミングセンスが光る。
一方でよく中身を観察する人には化けの皮が剥がれやすい雰囲気。

注目度は間違いなくあると思うので、その注目度だけで上場を熟すのか？というところ。
初値公募割れの危険性でも注目度高い。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年2月度、単体予想EPSは-23.69円（赤字）。
想定価格950円から計算される予想PERは約-40.1倍。

連続赤字で妥当な価格設定というのが測れないが、
仮条件を大きく引き下げており、厳しさを露呈。

なんとか上場したいと、なんで上場できるの？がガチンコで競い合っているレベル。
仮条件引き下げで割安感なんてないので注意したい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約69.9億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券。

売出株式比率57.5%でやや売出が多い。オファリング・レシオは低めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資が多い。ロックアップの価格による解除条件はない。
VCは17％売り出しており、上場時換金。そして想定価格から1.5倍にすぐ上がるとも思っていない？

ストックオプションの未行使残も豊富で22円価格など、格安でかなり量がある。
上場するとストック・オプション勢の売り圧は想像に難くない。

既存株主の上場換金色が非常に強く、多少注目度から買い手がいたとしても
厳しい需給面というのが率直な感想。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「完全栄養食」はコンビニやネット販売でも人気というかブーム的なムーブメントは作っていて、
現在はこれから伸びそうとか、試してみたいといった雰囲気は感じる。
ところが、すでに「完全栄養食は完全ではない」や「食品工場は委託」など気になる部分も多い。

「完全栄養食」という分野は日清食品でも商品が出ていたり「完全メシ」、特にベースフードの特権でもない。
パンという手軽で、良く食べられるもので豊富なフレーバーを出しているが、いつまで人気が続くか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

公募参加組で一番気になるところが、売上急上昇も赤字拡大で、
正直、黒字化見込みも怪しいのになんで上場できるの？というところだろう。
しかも時価総額など500億レベル（仮条件からは400億レベル）。そんな価値を見出しにくい。

ブームだけで駆け込み上場するのはフルッタフルッタの思い出が蘇る。

微妙なIPOが初値プラスで少し地合いが良くなっているだけに、
ここも注目度で手軽に参加して罠にはまるイメージ。
せっかく長年IPOを評価してきたものとして、ここをD評価にしないといけないと感じ総合D評価とする。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です