Ｔ．Ｓ．Ｉ(7362)のIPO新規上場情報

京都本店で京都滋賀中心に老人介護施設（終末ケア系）を運営。全国展開にも向けている。
自前で施設に必要なものに向いた建築まで行えるのが強み。

業績好調。社会福祉施設は高齢化社会によって子供よりも老人向けのほうが儲かっている。

一族企業でVCなどの出資なし。

マザーズ小型なのも魅力だが、野村證券主幹事で公募株入手が困難。京都地域に住まう方には傾斜配分があるか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

最近とにかく日本で増えている「サービス付き高齢者向け住宅」。
T.S.Iは「Terminalcare Support Institute」でいわゆる「ターミナルケア」。

高齢化社会を象徴するようなIPOで、需要の高まりから注目度は高そう。
上場日は同時上場で、前日銘柄も被りそうで買い分散の煽りは受けそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年12月度、連結予想EPSは84.87円。
想定価格1,550円から計算される予想PERは約18.26倍。

介護や建築系の企業と比較するとPER比較では割高感も、
ただ近々の需要の高さや直近の業績の伸びを考慮すれば買える価格帯。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約7.13億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事は野村證券。

公募売出比は3:1で公募が多い。オファリングレシオは高めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。ストックオプションの未行使残もなし。
上位株主に「北山一族」の名前が並ぶ、一族企業。
本店が京都ということもあり、滋賀にも伸びているとのことで「北山」は地元でも有力一族かもしれない。

吸収金額10億を切る小型感とVCなどの保有なしの売り圧力の少なさで、
需給面では全く問題ない。主幹事的にあまり高くなるなら冷やし玉登場レベルか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

全国的にどの地域でも高齢者サービス住宅が筍のように増えている世の中。需要の高まりは感じる。
しかしながらサービスは高価で実際に入れる人は、誰がいるんだ？という平民の意見が多数。

この社会現象をどう捉えるか？は長期的に見て高齢化社会向けのターミナルビジネスに不安はあるが、
直近の業績やIPO時点での注目度を考えると、上り調子の時に乗っておこぼれ利益を得たいところ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPOスペックの観点からみると業績良し、近々の需要も高く伸びている企業の
小型マザーズIPOなら初値は問題なしと言えそう。

競合他社との違いで見るこの企業のいいところは建築も自社ですることで、
余計な手間やコストが掛からないところが強み。介護事業としては子供より老人の方が儲かる時代。

野村證券主幹事で小型案件となると、公募株入手の期待が圧倒的に薄いが、
淡い期待でとりあえず申し込んでおく銘柄。なお、京都本店なので地元の人は傾斜配分でうまく立ち回れる可能性あり。

全体考察
総合得点は8点で、私のBBスタンスはA評価です