ダイレクトマーケティングミックス(7354)のIPO新規上場情報

公募なし、全数売出のインテグラル出口IPO。
業種はダイレクトマーケティングで、AIなど多少アピールするも人材の人海戦術な印象。
ただ上場する程度に業績の伸びはある。

一番の懸念点はスケジュールを加味した需給面か？9月上場ラッシュ後、キオクシア前日上場。

初値向きではなく、上場後に割安と意識されればジリジリと値を伸ばすタイプ。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

キオクシア上場日前日の大型イグジット案件。
翌日に話題性の高いIPOを控えるだけに、注目度は下がりそう。

ブックビル時の資金の流れも減りそうで、売出株の入手し易さはかなり高い雰囲気。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年12月度、連結予想EPSは110.22円。
想定価格2,980円から計算される予想PERは約27.04倍。

業績は綺麗な成長を描いているように見えて、想定価格は妥当性はある。
どちらかというと初値ではなく、中長期で評価されて株価が上る可能性の銘柄か？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約268億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証市場未定。主幹事はみずほ証券とSMBC日興証券の共同主幹事。

全数売出の公募なし。売出元はインテグラル。
過去何件か同様のIPOを見た感じでは初値よりも中長期で公募組も脱出できるレベル。

売出後もインテグラルなどベンチャーキャピタルの株式保有は相当数残る。
1.5倍価格でロックアップ解除。もともと大幅な値上がり期待は薄いが、キャップがある印象。
ストック・オプションの未行使残は167円価格などで計357万株。無視できないボリューム。

需給面はこのところのIPO好調は全て小型と考えると、厳しい部類。
特にスケジュール的に上場日の買いが期待できないことも加味すると初値は厳しいか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

社名のとおりDM（ダイレクトマーケティング）業。電話での売り込みなど、かなり泥臭い業務の印象。
類似業種的にはコンサル業が一番近いか？業績の伸びに関しては魅力で、今後非対面の営業需要も伸びるかもしれない。

とはいえ、これといった特徴的な技術面やビジネスモデルは感じないのでIPOらしい魅力には欠ける。
結論的には人気化は難しいのではないか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

参加を迷う方が多そうなIPO。
迷う要因としては業績は悪くないので、こういったイグジットIPOでも微増程度で済みそうな雰囲気と、
当選確率がかなり高く手に入りやすいという点。恐らくスケジュールをみても売り出し株入手はかなり容易。

ただ、初値向きとは感じられない銘柄なので、初値売で小遣い稼ぎを目論む方は注意。
上場後に安いところを買ったほうが儲かりそうな銘柄ではある。

IPOの初値視点では話題性や注目度により過熱感が大事というのもあり、
スケジュール面、IPOスペック面の両面で苦戦。

初値は最終的に上場日の地合い次第。
そう考えるとリスク・リターンで妙味に欠ける。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です