フリー(4478)のIPO新規上場情報

グローバルオファリング（公募については国内募集株式数2,952,000株及び海外募集株式数2,483,200株を目処に行われる予定。売出しについては国内売出株式数4,313,000株及び海外売出株式数7,728,100株を目処に行われる予定）海外募集分のほうが多い。
想定仮条件1,660円～1,940円（平均1,800円）。
海外の引き合いに大きく左右されそう。

クラウド会計ソフトではNo.1。イグジットIPO。
第一印象厳しいが、どこまで上場を成功に持ってこれるか？

売上の伸びはよく成長期待度は高い。グロース系IPOの風向きが悪いのがどう響くか？BB直前まで風向きを読みたいところ。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2019年12月の最注目IPO。IPOの話題はフリーを中心に回りそう。
クラウド会計としてシェアを広げ、サーバ障害の問題があった時には騒ぎがあるほど浸透。

事業モデル的には注目されるが、最近のIPOは成長性評価されにくく果たして？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2020年6月度、連結予想EPSは-76.1円。
想定価格870円から計算される予想PERは約-23.65倍。

売上に反比例して、赤字拡大中。割安性の評価からは買ってはいけないIPO。
しかし仮条件はやや強気となっており、海外勢の評価は比較的されたと考えることもできる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約334億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事は大和証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券の共同主幹事。

公募売出比は売出比率68.9%と売出が多く、またオファリングレシオもやや高い。
典型的なイグジット臭のあるIPO。売り出し元はベンチャーキャピタルも含む複数の株主から。

ベンチャーキャピタルの保有は豊富だが、上場後のロックアップはきつく価格解除要件なし。
一方、大量の1円ストックオプションが行使可能となっており、こちらは行使必至だろう。

需給面では厳しいとしか評価できない銘柄。数百億規模の吸収金額だが、半分以上は海外募集となっている。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

クラウド会計の分野でシェアを取っており、業態的には期待できる。
導入さえすれば、なかなか離れることの出来ない事業なのでストック収入として継続的に売上になる。

税理や会計などを「人からAIへ」という時代の流れにもマッチしている。
ただ、最適な株価がいくらなのか？の判断では非常につきにくくIPOとしてはリスク・リターンが読めない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

ブックビル開始時点（仮条件発表）で、想定価格1,660～1,940円に対し、
1,800～2,000円とやや上振れとなったことで迷いが生じる銘柄。
特に海外募集分が半分以上を占めるグローバルオファリングで、この仮条件は引き合いを感じられる。

総合評価としてはIPO初値売などの参加者にとっては、特に参加すべきでない評価を継続。
IPO祭り大好きで、少しぐらい損しても総合的に勝てばいいと思っている方は祭り参加料として参加レベル。
私は「IPO祭り大好き」なので、少しだけ参加して踊りを楽しみたいと思うタイプ。

冷静になって考えると、やはり敢えて公募で参加するようなIPOではない。
上場後でも十分安く手に入れられる可能性があると評価したい。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です