ナルミヤ・インターナショナル(9275)のIPO新規上場情報

再上場案件、東証2部。海外募集も予定。
売り出し豊富、売出し元はファンドが同じ比率で50％以上。
業績堅調もあまり納得がいかない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

再上場案件は悪い意味で注目されやすいので、注目度としてはマイナス。
9月の頭の上場でスケジュール的には悪くなかったが、同日上場あり。

上場の風当たりは悪そう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年2月度、連結予想EPSは192.55円。
想定価格1,770円から計算される予想PERは約9.19倍。

予想PERで10倍を切ってきており、割安感はある印象。
また仮条件を引き下げてきて（上限で想定価格より10％以上安い）、さらに割安な状態となっている。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約106億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証2部。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比は殆どが売出で売出株式比率約95％。オファリングレシオも高く60.5％。
売出元はファンド勢で、持ち株の半分以上を処分する形。
それでも約半分は持ち株を残すことになり、さらなる潜在売り圧力となる。

ストック・オプションの未行使残も334円価格で20万株以上あるが、
ベンチャーキャピタルの持ち株に比べると割合的には少ない。

いずれにしてもファンドの再上場売り抜け案件で需給面は悪い。
割安感を演出して、どれだけ買いが集まるか未知数で、短期的には厳しそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

小売系IPOはあまり人気がない中、衣料系はさらに減点。
少子化の中、子供服というのは更に厳しいかもしれない。

前回上場した時の印象も悪く、覚えている方なら魅力を全く感じないだろう。
業種的に未来に業績が一気に良くなるとは思えないので、期待はしたくないところ。
配当や株主優待などで釣るといった状況になりやすく、そこでは買いが入るかもしれない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

東証2部上場の再上場案件で業種もパッとしないとなると厳しいIPO。
売り出し数も多く、ファンドの売り抜けIPOということで買い手不在。
割安感は演出せざる負えない状況で、買い得に見えるかもしれないが短期的には厳しい。

中期的に利益が出せる可能性はあるにしても、公募取り初値売りでは不安。

前回上場時も上場後5年で上場廃止しており、長期的視点でも不安は残る。
少子化の世の中で、この業態が伸びていくイメージは掴めない。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です