信用取引手数料が現物取引よりも安いのには裏がある?信用取引の隠れた手数料、信用金利

今回は信用取引の手数料について書いてみたいと思います。

一般に証券会社の手数料体系をみていると現物の取引手数料より信用の取引手数料が安いです。行き着くところまで行くと、信用取引手数料無料なんてところもあります。(SMBC日興証券のダイレクト口座やネット証券のVIP待遇など)

取引手数料を取らなかったら、証券会社の利益にならないわけですから「取引手数料無料なんて、どうやって利益出しているんだろう?」と初心者の人は思うはずです。でも少し調べると信用金利など様々な手数料というものの存在に気付かされます

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今回は信用取引の手数料関連をすべて見ていきたいと思います。

  1. 取引手数料(新規建、返済時にかかる手数料)
  2. 買方金利(日歩)
  3. 売方金利 → 基本掛からない
  4. 貸株料 → 実質売方の金利手数料
  5. 品貸料(逆日歩)
  6. その他諸費用(名義書換料、事務管理費など)

ざっと挙げてみました。どうでしょう?これだけいろいろとあると、1番の取引手数料だけ見て比較しても意味なさそうではないでしょうか?いろいろな項目があり、その費用は大小開きがあります。よく分からないので、このあたりは気にしなくてもいいやと考える人もいるかもしれませんが、下手すると取引手数料よりコストがかかるものもあるので注意が必要です。

せっかくですので、「すべての項目について何なのか?」「どの程度の必要がかかるのかの目安」を紹介したいと思います。取引手数料以外の手数料で小さいものに関してはネット証券最大手のSBI証券の掲載手数料参考にしています。

1.取引手数料

これは非常にイメージしやすい手数料ですね。信用取引をする時にかかる手数料です。買建・売建時にかかる売買委託手数料になります。

概ねこの取引手数料が各証券会社安いですよとアピールしています。

証券会社株式取引手数料比較一覧

まぁ、安いに越したことはないです。最初に挙げたSMBC日興証券のダイレクト口座は完全無料がウリです。

使いやすくて、この取引手数料が安いネット証券を挙げるとすればGMOクリック証券ライブスター証券でしょうか?GMOクリック証券は1約定税込みで100円とシンプル。さらにライブスター証券ですと1約定86円と対抗しています。約定代金が500万を超えると0円になります。

いまだに、この取引手数料まで高い手数料を取っている証券会社もありますが、ネット証券などでは手数料競争で安く見せたいこともあり、概ねギリギリまで安い手数料になっています。

安い取引手数料が可能なのは、やはりこのあとに書くいくつかの別の手数料収入があるからです。さらに詳しく他の手数料というかコストを見ていきましょう。

2.買方金利(日歩)

買方金利は理屈は比較的分かりやすいと思います。信用取引は借りたお金(金額)で取引するわけですから、借りた金額に対して利息が発生します。借りた金額とは約定代金に対して発生します。

買方金利の目安:制度信用(1.35%~2.8%程度まで)、一般信用(概ね制度よりも高めの設定で3%など)

信用金利・保証金・維持率比較一覧

ここが見えにくい手数料になります。しかもその金利の差は証券会社によっては2倍ぐらい差がついたりしています。

買方金利の計算ですが、例えば100万円の建玉として買方金利2%だったとしましょう。

買方金利手数料=1,000,000×0.02/365x日数となります。

これを1日あたりに直すと54.8円程度です。なお、買方金利は日計りでも1日として計算しますので取引したらまず上記1日分がかかります。次の日の決済で2日分です。目安としては100万の約定代金で0日目から50円程度、後は持ち越す度に同じ金額が掛かると考えればいいでしょう。300万取引していれば2%では150円程度です。逆に1%だったら75円程度と結構取引手数料に比べて馬鹿にできないと思います。

信用取引で買建玉を長く持てば持つほど効いてくる手数料です。このあたりを安く設定している証券会社はむさし証券トレジャーネット東海東京証券になります。信用取引で比較的長く持ちたいという方は(多くの方はそうだと思いますが)、上記信用買方金利が安い証券会社を利用することでコストを抑えることが出来ます。

3.売方金利

買方金利もあれば売方金利もありますが、この金利は取らないところが一般的です。しかしながら次に書く貸株料と言うものが発生します。

4.貸株料

信用取引の売りでは、持っていない株を売る空売りということが出来ます。それが出来るのは株を借りているからです。その株を借りるための費用が貸株料です。

貸株料:制度信用1.1~1.15%程度、一般信用1.5%~2.0%程度

概ね制度信用よりも証券会社で独自で株を貸し出す一般信用のほうが貸株料が高いです。さらに参考にしているSBI証券では一般信用に短期というものがありますが、3.9%になっています。

短期間の貸出なので、結局は大きくはならないかもしれませんが4%となるとやや大きいと感じますね。

先程の買方金利の時の計算を考慮すると4%では100万の約定で1日100円以上の支払いが発生します。株主優待クロス取引など、小さくコツコツお得を重ねていく方法では、コストをなるべく下げることが成功のコツですので、意外にも見逃せない数字かもしれません。

空売り系はヘッジ手法が多かったり、基本的には短期取引で手放すことが多いと思いますが、この貸株料を払ってもメリットある利益が出るようにしないといけません。

5.品貸料(逆日歩)

逆日歩に関して信用売に関してはコストになり、信用買いにしては受け取れる可能性のある費用です。

逆日歩が発生するのは制度信用取引において、市場で貸借される株式等が不足すると、売方(売建玉)の場合に支払が必要となる費用です。信用取引は普段から買建と売建があると思いますが、買建が売建より多ければ空売りしても、実際には調達コストが掛からなそうというのはイメージできると思います。

いざ、売建がヘッジなどの目的で増えてきたら本当に決済できるように調達しておかないと厄介なことになりそうです。さらに増えると新規売禁止などの処置が取られることもあります。

逆日歩は最初から掛かるコストと考えるよりは、信用売の場合のみ株不足によって支払いが発生する可能性があるものと見るのがいいでしょう。最高逆日歩(最高料率)の計算テーブルは決まっていますが、最終的には株を供給うする側のオークション的な金利で発生するので、簡単には確定費用が掴みづらい部分があります。

なお、逆日歩を気にしたくない場合は一般信用売建を用意している証券会社を使うことになります。現在、大手ネット証券では松井証券カブドットコム証券SBI証券楽天証券がしのぎを削っています。

証券会社(松井・カブドットコム・SBI・楽天・大和・岩井コスモ)一般信用売り建て可能銘柄リスト

6.その他諸費用(管理費、名義書換料など)

口座管理手数料などは無料なところが多いですが、信用取引を利用すると、建玉の状況次第では銘柄管理手数料があったりします。

管理費:信用新規建の約定日から1ヶ月を経過するごとに建玉毎に対して管理費が発生

参考)1ヶ月毎に1株あたり税抜き10銭など

新規建から1ヶ月程度経過すると管理費として100株単位だと1単元、11円ぐらい掛かる必要があります。買方金利などいろいろと比較すると、ちょっとしたコストですね。

名義書換料:買い建玉が権利確定日をまたいだ場合にかかる費用

売買単位あたり50円税抜き程度。こちらもちょっとしたコストです。権利日をまたがなければ発生しませんが、場合によっては権利またぎの取引狙っている人にちょっと影響します。

これらは長く持っていると出てくるちょっとした管理費としてみておけばいいでしょう。少額コストで済むものが殆どですが、長くたくさんの株を信用取引建玉で持ってるじわじわ効くかもしれません。

 

配当相当額:建玉が権利確定日をまたいで建てられている場合、配当金支払い時期に、税金が源泉徴収された後の金額の授受が必要

信用取引では「信用買」で配当相当額が源泉徴収後の額で受け取れます。逆に「信用売」では支払い義務が発生します。気になるのは信用売で配当分支払いですね。

注意)一般信用の場合、配当落ち調整金に掛かる料率として源泉徴収分なしの100%取られる(確定申告すれば還ってくる可能性があるが、しないと配当の税額分損金)

よく聞かれるのが株主優待クロス取引などでは一般信用売りで上記配当落ち調整金が100%取られて、現物の配当はしっかり配当に対する源泉徴収されるので、その部分で損が出るというところです。

kabucomtunagi

多くの方が損をしたと感じるのですが、カブドットコム証券のQ&Aに載っているように口座の指定次第では損益通算で還付されますし、自分で確定申告する人は、他の証券口座とも諸々合算して、正しい税額を申告して還付を受けることが出来ます(後で還ってくる期間的な損と考えて気長に構えましょう)。

優待クロス(タダ取り)方法実行時の配当落調整金や税金などの取り扱いについて

当方は実例で詳しくチェックしてみました。

番外

HYPER料、プレミアム空売り料など:証券会社独自で調達した株の空売り時のコスト

証券会社によっては独自の株調達で、普通だと空売りできない市場に出たてほやほやのIPO銘柄などを空売りできるようにしている時があります。それらを使う場合は別途上乗せ手数料を払う仕組みです。こちらは利用する場合に数字で出ていますので、気にしながら取引することになります。


結局、信用取引の場合は最初の取引手数料でも証券会社は手数料が欲しいとは思っていますが、多く取引をしてもらって長く使ってもらうほうが、手数料収入になります。逆にみると私達利用者は使用目的によっては、こういった取引手数料だけじゃない部分に着眼してコストを抑えて投資を有利に進めたいところです。

証券会社株式取引手数料比較一覧

当方の証券会社の取引手数料比較のページでは様々な角度から、各証券会社の手数料やサービス内容を比較できます。使用目的に合わせて、どの証券会社を使えばお得かチェックする参考にどうぞ!

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