1回の株主優待取得に掛かる費用は、その時の優待を取ろうとする数によって変わってきます。
具体的にある月末で、A株、B株、C株の3つ優待を取ろうと考えているとします。
A株は株価2500円で100株で5,000円の商品券がもらえます。
B株は株価400円で1000株で8,000円の価値の優待券がもらえます。
C株は株価1500円で100株で3,000円の割引券がゲットできます。
必要な資金は
2,500×100+400x1,000+1,500×100=800,000円
で80万円+取引手数料分が必要資金です。
手数料を考えて証券会社に権利付最終日までに80万強のお金を用意しておけばいいでしょう。
株主優待タダ取りで発生する費用・手数料
優待タダ取りで発生する費用を全て挙げます。
・現物株買いの株式取引手数料 (安いネット証券を利用したほうがいいでしょう)
⇒優待タダ取り手法が、始めての方はまずは松井証券 をオススメします。
(理由は株主優待向けおすすめ証券会社の紹介ページで説明します)
※証券会社のサービス競争(手数料競争)が進み、現在では初めての方が松井証券がオススメという状況でもありません。SBI証券と楽天証券といった大手ネット証券の他、複数のネットトレードサービスを使ってみて、自分にあった証券会社をメインに、そしてサブも活用するといった方法が求められます。
・信用売りの株式取引手数料
・逆日歩 (信用売りが多くなると株不足のため信用売り方に発生する費用)
・貸株料 (売建てのために借りる株に対してかかる手数料)
証券会社で計算利率が決まっています(金利情勢により変動)。
時価(信用売り株数x株価)x株式信用金利(2%程度)X日数/365=貸株料
上記の80万分の例で、日数を5日で計算しても200円程度となります。(1日約40円程度)
計算が細かくなるので優待取得のための期間なら細かく意識する必要はないでしょう。
・配当落調整金
これは現物株にて配当をもらえるため、相殺されるの気にしないでいいです。
すぐに決済されるわけではなく、売買の日の3ヶ月ほど後に通知、決済されます。
配当金から7%控除した額(住民税分が引かれない)になります。※証券会社によっては10%など違う場合あり
(配当の税制に関してはちょっとややこしいですが、税金部分での差ですのでしっかり確定申告すれば損失はない部分です。また実際、小額の差になるでしょう)
以上の5つになります。
貸株料と配当落調整金は先ほどの説明のように、あまり気にしなくても大丈夫です。
権利付き最終日翌日の、権利落ち日の買いと売りの反対売買に関しては現渡しという方法で無料で決済が出来ます。
売買手数料に関しては、安いネット証券の利用をオススメしますが、
オススメの松井証券 で先ほどのA,B,C株を取引すると
現物買いがボックスレート100万以内で1,050円
信用売りがボックスレート100万以内で同じく1,050円
つまり手数料は2100円です。
(松井証券は手数料が現物、信用を含めた全部の約定金額で計算されますので、優待取りのように1日でたくさんの銘柄を同時に取引すると手数料がお得になります)
先ほどの優待で16000円の利益ですので、手数料を引いても13,900円の利益になりますね。
そして上記で挙げた5つの費用で最も重要な要素が逆日歩になります!
逆日歩は株不足の状態により日々変化します。ですので想像以上に信用売りの量が多く、多大な逆日歩により損失を被る可能性があります。 逆に逆日歩さえしっかり抑えておけば、ほぼリスクを感じない方法といえます。
まず、逆日歩では最大逆日歩が計算できます。
日証金のホームページで最高逆日歩早見表というものがあり、そこから株価を当てはめて調べることができます。
(2009年11月より最高逆日歩は2倍となっています)
※また注意喚起銘柄はさらに2倍となるので注意が必要です。
しかしながら、1銘柄ごとに早見表に当てはめて最大逆日歩を計算していたら大変です。
当方が作成した優待リスト出力機ではこの最高逆日歩を自動的に計算して、銘柄リストを表示した時にチェックできるので便利です。
このようにして最大逆日歩さえチェックしておけば、逆日歩対策としては以下のようなことを考えてクロス取引をするかの判断ができます。
1.最高逆日歩でも利益が出る銘柄であれば参加する。
例えば上記A株ですと、最大逆日歩は5円(1株あたり)となります。
仕組みが変わってからは10円で1日あたり1000円逆日歩に掛かる可能性があります。
今回は逆日歩日数1日とすると、1,000円が最大逆日歩で掛かると考えられます。
A株の優待は5,000円の価値でしたので、最大で払うことになっても得をしますね。
当然、当日の信用取引の株不足の状況で、逆日歩が付かないこともあります。
ですが、最大払っても利益になるならOKといった判断が下せます。
2.信用買いが信用売りを大幅に上回っている
株不足にならなきゃ逆日歩は発生しないという考えです。
優待権利付最終日の前日あたりに信用状況をチェックします。
(こちらも優待リスト出力機から銘柄情報をさらに見れば一覧で確認できます)
そこで大幅に信用買いが上回っているときは、余程の事がない限り、信用売りの株が足らなくならないため、逆日歩が掛からないか、小さく抑えられることが予想できます。
どれぐらい多ければ安心ということは言えないのですが、買いが多ければ多いほど安心です。
株不足にならないであろうと考えられる状況では有効な判断基準と思います。
3.逆日歩の発生しない一般信用制度を利用する
オススメの松井証券 でも利用できる制度です。
無期限信用売り立てともいいますが、逆日歩が発生しない取引方法とここでは覚えておいていいでしょう。
ただこの方法の問題は使える銘柄が少ないことです。
(もちろん出来る銘柄は進んで一般信用で逆日歩のリスクをなくしましょう)
このように、逆日歩だけしっかり抑えれば大体の収益勘定が出来ます。
権利付き最終日の前は、この様なことを考え、どの銘柄の優待を取るか考える楽しみがあります。
今回は、逆日歩の計算に便宜上日数を1日としましたが実際は日付によって、1日の持ち越しでも数日分の逆日分が発生することがあります。
次回では、もう少し、逆日歩に関して詳しく見てみましょう。
Next⇛【株主優待クロス取り引き】逆日歩に関して