株主優待クロス取引で古くから一般信用売建を用意している王道の証券会社といえばauカブコム証券になります。現在では他社の参入も増えたことで、多くのネット証券が一般信用売建を用意していますが、auカブコム証券が得意としているのはMUFGグループであることから在庫の調達力に非常に長けています

そのためクロス取引で欲しい銘柄が取りやすいことから、他社が参入してきてもauカブコム証券を利用し続けている人も多いでしょう。

auカブコム証券もネット証券の取引手数料無料化の流れに沿って、取引手数料も非常に安くなっており、API経由の取引は0円、大口優遇プランも0円となっています。

auカブコム証券 口座開設

1日定額手数料プランなら現物・信用取引合算で約定代金100万までは手数料が無料。またワンショット手数料も非常に安いものとなっていますが、「kabuステーションAPI®」経由の取引なら信用取引は無料ですので、少し手間を掛けてもAPI経由での注文がオススメです。

なお、API経由で手数料が無料なのは信用取引のみですので、手数料節約を考えてAPI経由で行っている場合、買いの現物注文は、API経由で信用買いをして現引(手数料無料)をしたほうがお得になる場合が多いです。

auカブコムが株主優待クロス取引におすすめの理由

auカブコム証券が株主優待クロス取引にオススメの理由をまとめておきます。他社が参入する前から使えるサービスとして出してきていた業界の先駆者です。他社が入ってきてからも、いろいろと仕組みを変えて使えるサービスになるよう工夫がされています。

  • 一般信用売建サービスに歴史あり
  • 取引手数料が安い
  • API経由注文で信用取引手数料が無料(手数料節約になる)
  • 欲しい銘柄は抽選式で早押ししなくても良い
  • MUFGグループで在庫の調達力に優れている
  • プレミアム料という独自の手数料

逆日歩を避けられる一般信用売建サービスを古くから始めてきた一日の長があります。1つずつ理由を見ていきましょう。

一般信用売建サービスの歴史

証券会社(松井・auカブコム・SBI・楽天・大和・岩井コスモ)一般信用売り建て可能銘柄リスト

逆日歩の掛からない一般信用売建サービスを最初にスタートさせたのは松井証券です。松井証券は業界で国内初のサービスを取り入れることを意識しており、2004年7月に一般信用取引「売建」サービスを始めました。

auカブコム証券は2004年のほぼ同時期に一般信用取引を開始しており、この取引の黎明期はほぼ松井証券auカブコム証券という時代が続きました。auカブコム証券優待クロス向けサービスとして「一般信用(短期売建)」を2012年に導入。これは業界初になります。

その後、売り短サービスは2021年6月に終了となりましたが、2021年7月からは長期のみに変更しその代わりプレミアム料付き空売りという形にして、手数料体系がより明確になっています。

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auカブコム証券はカブドットコム証券から続く一般信用取引では長いサービス提供があり、業界においても信頼感があります。他社が参入してきても使えるサービスを維持しているため、多少の手数料は目を瞑っても同じ証券会社で継続して利用している人も多いです。

逆に言うと、他社が参入してくれたおかげで、他社も利用する人が増えたことによって、在庫の取り易さが楽になっていますので、ストレス無くクロス取引したい人にとっては都合の良い状況になっています。

取引手数料が安い

取引手数料の安さに関しては近ごろは取引手数料無料化の波を考えると、auカブコム証券は他社よりも少し手数料が掛かるかも知れません。それでも、もうこれ以上ないぐらい安い手数料体系です。

さらに取引手数料などのコストを下げたい場合は2つの技があります。

1つ目:kabuステーションAPI経由の注文は信用取引が無料

こちらを利用するにはkabuステーション®Professionalプランの契約が必要で、3ヶ月に1回程度の約定が1回でもある必要があります。そうするとkabuステーション® APIという機能が使えるので、そこから注文を入れれば信用取引の取引手数料は掛かりません。

一度利用してみれば難しくはないのですが、APIという言葉すら聞き慣れないと言う人にとって見れば少し手続きや要件など手間と感じる人もいるかも知れません。これなら少しぐらい手数料を払ってもいろいろな注文方法で行いたい人もいるでしょう。

2つ目:大口優遇プラン適用で現物、信用ともに取引手数料を無料にする

大口優遇の方が狙いたいところですが、auカブコム証券の大口優遇適用は少し条件が厳し目です。ただし、公式ホームページでも書かれているように「コスト無しで大口優遇プランを達成」することもできます。

大口優遇の適用条件として「前1ヶ月の新規建約定代金が4億以上」でゴールドプラン適用になります。それを満たすために手数料の掛からない1日信用(デイトレード信用)を回転売買して約定代金を稼ぐというものです。

確かにコスト無しでプラン達成はできます。また新規建を買い・売り両方(つまりクロス取引)で行えば、株価変動リスクもありません。単位株の約定代金が大きい銘柄で、取引量が多いものであれば数日掛けて達成可能性があります。

最初は慣れないかと思いますし、さすがに4億達成は額面が大きいです。まずは少額で始めてみて問題ないか確認して数日掛けて適用チャレンジしてみてもよいでしょう。

2つの技を紹介しましたが、取引手数料を無料レベルまで下げるために利用しても良いですし、多少の少額の取引手数料は手間を考えれば必要経費として払う姿勢でもよいかと思います。

なお、1日定額手数料体系なら100万円の約定代金までは手数料無料ですので、クロス取引なら約定代金50万までの銘柄なら取引手数料は無料で取得できます。

欲しい銘柄は抽選式で早押ししなくても良い

auカブコム証券の一般信用売建新規注文は、人気の高い銘柄で毎日抽選方式となっています。

前日の19:30~20:30の1時間で申込みを受け付けて21:00以降に当選の場合は注文が可能になります。他社は毎日時間帯になったら在庫が補充されて、注文早押し大会となっており、争奪戦に疲弊している人も多いでしょう。

auカブコム証券の抽選式は他社の参入がなかった頃は、この抽選で全然当たらないという状況レベルで人気でした。現在はプレミアム料という手数料を付けることで人気調整がされていることから、少し手数料は掛かるけど比較的取りやすいという状況になっています。

人気銘柄で抽選になっても、他社で確保できた人が当選株の権利を放棄することで在庫が余ることが多く、これが銘柄の取り易さの指標としても使えます

MUFGグループの在庫調達力

一般信用売建の在庫量に関してはauカブコム証券は随一です。MUFGグループの力を活かすことで大口からの株の借り受けがし易いというのが裏にあると考えられます。

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他の証券会社じゃ、全く在庫が出てこない銘柄もauカブコム証券ならあるということも多いです。プレミアム料は少し掛かるかも知れませんが、取れないよりは少し手数料掛かっても取れるという意味で使い勝手が良いですね。

プレミアム料は他社にはないコストとして掛かりますが、株主優待クロス取引で一般信用売建を使う場合は逆日歩リスクを回避したいという部分があります。その逆日歩リスクを考えればプレミアム料は表示されている内容で簡単に確定コストが計算できます。

当方のサイトでも銘柄毎にクロスコスト計算のページを用意しています。

例)すかいらーくのページ
すかいらーくホールディングス(3197)のクロスコスト計算情報

auカブコム証券の場合はプレミアム料も入れて毎日簡単に見積もれるようになっていますので利用してください。他社よりも少し手数料が掛かったとしても、優待内容よりも良ければauカブコム証券で確保したほうが良いかも知れません。他社で結局取れない場合や、逆日歩の掛かる制度信用で取ったら高逆日歩で損するなどもよく起きます。

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auカブコム証券は結局、株主優待クロス取引でどう使いたいか?

auカブコム証券が株主優待クロス取引でオススメの理由のまとめです。

最近の株主優待クロス取引事情を踏まえると、多くのネット証券が参入して、さらに株主優待人気の高まりからクロス取引を実施する人も非常に増えました。

古くから一般信用売建取引を提供してきたauカブコム証券在庫調達力で強みがあり、多少のコストを払っても優待取りでお得なのだからと利用している人が多いです。他社のほうがより手数料を抑えて取れる可能性があるということで、早期争奪戦などに取り組む人も増えてしまい、結局は全然欲しい優待銘柄が確保できないということにもなっています。

そこで、やはり実力があるauカブコム証券に戻ってきている人が多いです。

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確かにプレミアム料など、他社にはない手数料が掛かってしまう点もありますが、少しコストが高くなっても争奪戦にしなくても確保しやすいなどメリットにもなっています。

株主優待クロス取引でストレスを感じること無く、お得に優待ライフを楽しみたいという方には、他社の動向も見つつauカブコム証券をメインに利用することをオススメします。