ソラコムは新規承認されました!

ソラコムの概要

事業内容:IoT通信プラットフォーム「SORACOM」の提供 通信コアネットワーク「SORACOM vConnecCore」の提供

ソラコムの注目度・上場初値期待度・コメントなど

期待度 評価:4点 (A:期待度高い)
注目度 評価:4点 (A:注目度高)
※評価はS~Dまで、管理人が様々な情報や経験から独断で評価しています。
・上場に対するコメント
KDDI子会社で、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」向け通信のソラコム(東京・世田谷)の玉川憲社長は新規株式公開(IPO)を検討していることを明らかにした。KDDI傘下で顧客基盤を固め、IPO後に海外事業を拡大する。スタートアップの出口戦略は大きく分けてIPOとM&A(合併・買収)の2つだった。第3の手法となる「スイングバイIPO」は定着するか。

「グローバルで成長するためには資本政策を柔軟にしたい」。玉川社長はIPOを検討する理由をこう説明する。ソラコムは140カ国以上で通信サービスを提供している。今後、海外企業と資本・業務提携を結ぶことを想定し、資本政策の自由度を高めたい狙い。海外の技術者はストックオプションを好む傾向があるため、優秀な人材確保でも有効とみる。

現在はソラコムの株式の過半数をKDDIが握る。1年以上前からIPOの協議をしており、KDDIは容認する方針だ。IPO時にKDDIが保有する株式の比率などは今後詰めるが、IPO後もKDDIのグループ企業として連携する。

ソラコムは2015年の設立。専用SIMカードをスマートフォンやセンサーなどに差し込むだけで、様々なデータをやり取りできる通信サービスを手掛ける。通信費と初期費用を抑えたことで公共交通や農業、スタートアップなど幅広く使われている。

17年に約200億円でKDDI子会社になった。同社の販売網を使い「ガスなどインフラ大手との大型契約が決まるようになった」(玉川社長)。省電力通信や次世代通信技術「5G」など先端技術もいち早く取り入れる。現在のソラコムの契約回線数は200万回線と買収前から25倍に増えた。KDDIの高橋誠社長は「海外でも着実に収益を得られる事業モデルができた」と評価する。

なぜ巨額投資して成長させたソラコムのIPOをKDDIは容認するのか。背景に「かつてスタートアップ買収後に経営陣が辞め、知見が流出してしまった」(幹部)という反省がある。ソラコム経営陣に一定数の株式を残し、経営の独立性を持たせた。M&Aバンク(東京・目黒)の冨岡大悟代表は「株を持ち続けることで経営者の責任とモチベーションを維持できる」とみる。
(2020年9月7日の日本経済新聞)
・上場に対する追加メモ・関連企業情報など
KDDI子会社ということで、親子上場的。独立性を持たせて上場に向かいそう。

スイングバイIPO 大手企業の傘下で成長した後にIPOを目指す新しい成長モデル。「スイングバイ」という宇宙航行技術が由来で、惑星の重力に引っ張られて宇宙船が加速するように、スタートアップが大手の販売網や顧客網、人脈を生かして成長を速める。

企業データ

会社名 ソラコム
所在地 東京都世田谷区玉川4丁目5番6号
設立 2014年11月10日
※ 情報は更新・訂正されている可能性がありますので、詳細は企業ホームページなどで確認してください。