NSグループ(471A)のIPO新規上場情報

想定仮条件1,440円～1,730円

売出しについては国内売出株式数 16,480,000 株及び海外売出株式数 6,649,900 株を目処に行われる予定。

ファンドのイグジットIPO。プライム上場でも業種的にIPO特有のメリットを感じづらいので初値上昇期待は薄い。公募参加ではなく、上場後参加でも十分間に合いそうな銘柄。

ディスカウント感はないが、想定仮条件の幅を広く取っていることから需要観測で調整しそう。結局は初値は公開価格付近が関の山。

高い配当性向や事業自体の食いっぱぐれのなさは感じるので、アコギな商売に投資しておいて恩恵を得たい人はポートフォリオに入れるのも一考。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

セクターは「その他金融業」。家賃債務保証事業大手。
2023年上場の全保連と同じ業態で、公募割れしたことを踏まえれば、上場時の注目度は薄そう。

プライム上場になるが翌日に同じプライム上場のSBI新生銀行の注目度が高く苦戦。
一方、単独上場で先に上場できるというのは悪くないか？ただ、目線はすでに翌日に向かっていそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年12月度、連結予想EPSは109.53。
想定価格1,585円から計算される予想PERは約14.47倍。

想定仮条件は1,440円～1,730円で幅広く取っていたが、結局仮条件は1,440～1,480円と下側より。
注目度も厳しくなりやすい業種でイグジットIPOとなると不人気。
安く売るしかない状況ながら、成長性低く上場時に評価されづらい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約421億（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証プライム市場。主幹事は大和証券とSMBC日興証券の共同主幹事。

全数売出で公募なし。オファリング・レシオも高水準。
ファンドのイグジットIPO。

上場時にVCが大きく売り出しする。上場後はロックアップは180日。
残る大株主や出資者と資産管理会社という事で、ロックアップはあるものの先売り感は強い。

ストック・オプションの未行使残は324円で4,589,400株。全て行使期間内。
こちらもなかなかの売り圧として認識。

上場時も出口感。上場後も売り圧を感じる中で、株価先高感が得づらい。

需給面はかなり厳しいとして、特に初値視点では割り引きたい。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

IPO初値向きとは言いづらい銘柄。プライム上場はある程度株価を保ちそうなIPO情勢だが、
ここは12月の他の銘柄に埋もれて厳しい船出となりそう。

事業に関しては継続的な需要がありそうで、ある程度儲かるビジネス。そして配当も今後もしっかり出そう。
しかし、上場後も売り圧が大きく株価先高感がイメージがつきづらい。
株価が大きく下がってかなり割安水準でアドバンテージを得られる頃が買いごろの銘柄か？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

初値視点で見ると、他の銘柄と比較して上場時需給面で苦戦しそうで総合評価はC級評価とする。
上場後でも十分間に合う株価で参入できそうで、そこを待って欲しい人は買えば良さそう。

すでに同業種はいくつか上場しており、どこもPER的には同じような水準。
低成長の業績推移と連動して株価も時間が経てば微増していく期待はあるが、
IPOとしてみると一旦、不人気となれば売りをある程度消化することで、買いが入らず株価を下げる現象が見られそう。

株価が十分に下がれば、緩やかに伸びることを期待する銘柄としてポートフォリオに入れることを考えたいが、
IPOである必要はなく面白みがない銘柄と言えそう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です