オーバーラップホールディングス(414A)のIPO新規上場情報

規模大きめのファンドのイグジットIPO。人気の高そうなIPビジネスだが、売上推移を見てみると現状、それほど高成長になりそうとは感じない。IPO時の話題性で初値はなんとかなりそうな感じも不穏な印象もあるIPO。

比較対象は電子書籍出版や、大手出版社でクロスメディアに活躍しているところ、それらに比べると若干のディスカウントは見られる。

ライトノベルのタイトルを一通りみても、何かどかかで見たことがあるものばかりで、個人的に色々区別がつかない。IPビジネスとしては似たりよったりの雰囲気で、どこまでヒット性を出せるのか？

売出価格発表時に売出し数増加：
8,000,000→8,800,000株

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

コンテンツIPビジネス。
ライトノベル的低予算で、ヒットしそうなら手をかけることで利益増大を狙う。
他社IPとしてポケモンと組んでいるなど、IPビジネスらしさあり。
IPビジネスがまだまだ主流と見るか、旬が過ぎかけていると見るか・・・。

上場日は10月初旬の10月スタートIPO。
9月IPOの数が少ないことから、上場日の注目度はややアップになりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年8月度、連結予想EPSは103。
想定価格1,600円から計算される予想PERは約15.53倍。

ファンドのイグジットIPOで、割安感がそれほど感じられないところに仮条件を上げてきた。
こういう引き上げ方は公募組の冷静な判断が求められそう。
高値売り抜け感が非常に強い・・・。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約147億（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はみずほ証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の共同主幹事。

全数売出しで公募なし。売出し元はファンドで約3分の2を放出のイグジットIPO。

ロックアップは100％、価格解除なし180日で上場後の売り圧はない。

しかし、ストック・オプションの未行使残が1,233,600株が上場時参入となる。

需給面では親引けや海外販売があるものの吸収規模も大きく厳しめ。
評価としてはマイナス評価にしたい。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

当方が、ライトノベルやマンガ、ゲーム、アニメなどのIPビジネスに非常に疎いため、
業種に関しての人気などの感触がどうも掴めないが、主流に紹介しているIPがどれも「異世界転生」もので変わり映えしない。
こういう状況が本当にこの界隈に受けているのか？と考えていると、すでに上場時点で陳腐化していそう。

ということで上場時点で、非常に売り抜け姿勢を感じてしまうのは魅力に欠ける部分。
IPビジネスを行っている上場会社が既にあることを考えれば、IPOに求められる新規性の魅力にも欠けると感じられる。
一方で服飾系でyutoriが上場した時に感じたビジネスモデルのやり方としての、小さく始め大きく育てるという作法は魅力あり。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

初値視点で見ると、正直IPOとしての魅力部分は少なく総合評価をC級評価とする。
特に需給面が厳しく、売りの量に対して、上場日時点での買いの量を考えると初値は厳しそう。
主幹事タッグの構成を考えても、あまり初値は意識しなさそうで、初値売り勢はパスしたい。

現状で成長性を感じづらい状況になっていて、これから先に期待するのは難しい状況で、
期待感からの買いが期待できない。何かをきっかけに株価上昇はあるにしても上場後すぐとは思えないのが厳しく、
そこに全数売出しのイグジットIPOというのは、IPOファン的にも敬遠材料と言えそう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です