トヨコー(341A)のIPO新規上場情報

建設業セクターであるものの技術開発を行い新工法を２つ保有。この業界のイメージ改善と老朽化という社会問題にも対応。

テーマ性は高そうだが、上場時にそれが反映されて買いが入るかが焦点。３月下旬の混雑スケジュールで同時上場というのは気になる。

吸収規模も大きく、既存株主のVCなどロックアップが甘いため一定数の売り圧が潜在。買いが少なければもろに需給面に響きそう。

また上場時から株価高騰しなくても良いような雰囲気も感じる。短期よりも中長期視点で考えたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

老朽化した建物やインフラ構造物をスプレーコーティングで蘇らせる工法「SOSEI」。
レーザーでサビなどを除去する「CoolLaser」で建設業界のメンテナンス現場イメージを刷新しようとしている。

建設業セクターの銘柄が上場時にどれだけ技術力をアピールできるか？
一般的には注目度は低くなりそうなだけに、注目度の判断は難解。

上場日は3月IPOラッシュ終盤で、2社同時上場。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、単体予想EPSは13.6。
想定価格700円から計算される予想PERは約51.47倍。

業績は伸びているものの、セクターを考えればかなり強気な価格設定。
仮条件もやや上振れでかなり強気だが、初値視点で見るとあまり強気になれなさそう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約29.7億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率73%と売り出し多め。オファリング・レシオも若干高い水準。
既存株主のイグジット感があるのは、公募参加側からは敬遠される部分。

またベンチャーキャピタルからの出資もみられ、上場時に売り出しなくロックアップが掛かっていない。
こちらも上場時の値付けが高い（割高）ことからすぐに売ってきそうな雰囲気。

ストック・オプションの未行使残に関しては行使価格が700円で、行使期間は2026年以降。
こちらは気にならないし、700円の評価があるという指標にもなる。

需給面は中規模で決して良くはない。
買い需要次第だが、建築業セクターで地味と見られると苦しい可能性も考慮したい。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ホームページや目論見書を見ても、泥臭い建設業のイメージを一新。
「現場の３K（きつい汚い危険）を３C（クール、クリーン、クリエイティブ）に」を合言葉に仕事のイメージを変えたい模様。

そのキャッチフレーズに違わぬように、新しい技術（工法）の開発に積極的なのは好感。
インフラの老朽化問題は社会問題の一つでもありテーマ性もあるので、事業が活況になれば面白い存在。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPO初値視点で見ると、割高・建設業セクター・中規模が上場ラッシュ後半で同時上場とあまり良い部分はない。
一方で、仮条件は上振れなど引き合いの強さは感じられ、インフラ老朽化への対応というテーマ性が活きてくるか？
総合評価は控えめにC級評価とする。

テーマ性を考慮すれば、上場後に一旦は公開価格以上を見せることもありそうだが、
案外、注目が集まらずに見込まれた価格設定だけが意識される可能性も否定できない。

初値が若干でもプラススタートになればラッキーぐらいの目線でいたい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です