ＺｅｎｍｕＴｅｃｈ(338A)のIPO新規上場情報

テーマ性の高い情報セキュリティ技術関連。暗号技術の応用、秘密分散技術を用する。

業績黒字化でこれからの伸びに期待のタイミングで上場。小粒感ありで価格設定も控えめ、いかにも初値高騰しそうなスペックをしている。

しかし主幹事が岡三証券で3月下旬で同時上場。予想するほどの高騰スタートとなるかが焦点か？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

暗号技術の応用、秘密分散技術を利用したセキュリティソリューション。
情報漏洩のデータをのものを無意味化するということで、面白い内容。
昨今、情報セキュリティの需要はかなり高く、注目度高い。

上場日は、３月上場ラッシュ後半、２社同時上場（相手も注目度高め）。3月権利付き最終日はやや特異日。
吸収金額が小さいため、スケジュールの影響は小さめか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年12月度、単体予想EPSは126.65。
想定価格1,470円から計算される予想PERは約11.61倍。

業績は売上急成長中で、2023年期から黒字化、利益も伸ばしており今後に期待。
予想PERでは類似するセキュリティ関連会社よりも割安感あり。
しかも、事業内容的に新規性が高く、今後の成長期待も高そう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約4.86億（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は岡三証券。

売出株式比率16.7%と公募が多い。オファリング・レシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資も一部あるが、割合は少なめ。
ロックアップはVCを含めて1.5倍の価格解除もあるため、株価が1.5倍を超えてくると売り警戒はされそう。

ストック・オプションの未行使残は行使価格2,500～3,075円と高いため、公募価格の安さの目安となる。
直近でも2,750円の行使価格で割当。この水準までは意識されそう。

吸収金額5億レベルと軽量級、そして事業の面白さ、公募株の割安感もありで、
需給面は買い圧倒になりそう。

岡三証券主幹事と3月末権利付き最終日という部分が気になるので、
そこで初値がどのあたりに落ち着くか？初値以降の株価推移も気になるところ。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

独自の暗号分散化技術で、データそのものを無意味化するという面白いセキュリティソリューション。
画像や文字情報など保護しても見たり入手しただけで、意味が盗まれてしまうものなどに応用でき、今後採用が増えそう。

直近の売上・利益も伸びてきており、利用価値の証明が感じられる。
より高度な情報化社会になってきているため、この手のセキュリティ関連企業の活躍は目覚ましくなりそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

グロース・小型で面白みのある事業、そして割安感もある高スペックIPOとして総合A評価とする。
通常ならかなり期待できるが、主幹事岡三証券と3月末権利付き最終日に同時上場という部分で、
初値を抑える可能性。初値がある程度収まってしまうと、それ以降も伸び悩みになりやすいので判断が難しい。

仮条件引き上げにより公開価格は1,580円とすると、2倍でも3,000円超え。
初値3,000円を超える注目度となれば、2.3倍の3,634円も目処が立ちそうと感じるがどうなるか？
一方でそこまで行かないにしても直近ストック・オプションの2,750円は十分到達できる内容。

BBスタンス時点では、とりあえず3,000円超えの初値を予想。

全体考察
総合得点は8点で、私のBBスタンスはA評価です