ダイナミックマッププラットフォーム(336A)のIPO新規上場情報

自動運転や先進支援運転に必要な高精度の３D地図データを提供。近未来社会の実現に向けて必要なインフラデータとなり注目度高い。

テーマ性の高さは宇宙ベンチャーに匹敵。

業績は連続赤字中も売上急上昇で上場。ロックアップの解除基準やストック・オプションの行使価格を見ても公開価格は安くベンチャー投資できるイメージになっている。

吸収金額がやや大きめで、3月の権利付き日に上場が被っていることから、第一印象はB級評価に留めるが、とりあえず初値プラスになる見込みは強そうな注目銘柄。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

自動運転など先進運転支援システムを補佐する高精度３D地図データ提供。
未来感があり新規性が高く、IPOとしては注目度は高くなりそう。

上場日は上場ラッシュ後半で2社同時上場。日取り的には初値目線でやや弱気。
しかしながら注目度では宇宙ベンチャーに匹敵するレベルで高そうということで見どころあり。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、連結予想EPSは-95.05。
想定価格1,130円から計算される予想PERは約-11.89倍で赤字。

売上は上昇中なものの、黒字転換はまだ先。
割安性からは計ることは出来ない銘柄。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約60.6億（想定価格ベースOA分含む）のやや規模の大きなIPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率6.9%と公募が多い。オファリング・レシオは標準範囲。

筆頭株主のINCJ含め、ベンチャーキャピタルからの出資が豊富だが上場時に売り出していない。
ロックアップ解除は1.5倍や3倍など差をつけて段階的に解除されるところがあるため、
1.5倍価格を超えればイグジットの売り圧がありそう。

ストック・オプションの未行使残は行使価格2,000～3,400円と高い。
行使権利が1.5倍価格よりも高く、こちらの売り圧よりもやはりロックアップ解除の売り圧が先にくる。
また1,130円の行使価格があるが、こちらは2026年12月以降となり目先の影響はない。

60億規模のIPOが3月上場ラッシュの末に来るということで、
どこまで買い燃料があるかの問題になりそう。

注目度さえ高いままであればロックアップ解除の1,800円までは買えると見られて大丈夫そうだが、
初値だけでなく、上場後のタイミングで1,800円までの空白地帯を狙った攻防の可能性まで考えたい。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

未来の地図情報は高精度3次元になるのか？と考えるとワクワクする部分も多い。
３Dマップで覇権を取れるかも重要で上場することによって知名度が上がり、
高精度３Dマップといえばダイナミックマッププラットフォームという印象を社会に与えたいところ。

未来を考えると人気化や魅力のポイントではかなり高い評価としたい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

3月上場ラッシュのIPOの中でも、注目度の高い銘柄。
上場ラッシュ中の傾向を考えれば注目度が大事ということで総合評価はB級評価とする。
しかしながら初値目線で、決して上場日が初値上昇によいタイミングではないので案外の可能性もあり。

また、上値目線では一部ロックアップ解除となる1.5倍価格の1,800円が非常に壁になりやすい内容。

上場時にIPOに良い風が吹いていれば、初値で1,800円付近を目処とするような好スタート、
地合いが悪ければ、ちょいプラスと様子見姿勢から上場後急騰があるか？を意識したい銘柄になりそう。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です