メディックス(331A)のIPO新規上場情報

ネット広告運用やマーケティング解析（DX）を手掛ける。アドテク系になるが、今となってはIPOではやや古い印象。業態に新しさを感じる部分はない。

既存株主にVCなど見当たらないが、公募売出比で売出数多くやや換金姿勢。そのためか？想定価格には割安感がある（予想PER10倍割れ近く）。

吸収金額20億超え規模のスタンダード市場上場。3月下旬の上場となるため、他のIPOの重なりなどスケジュール条件が初値に影響しそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

デジタルマーケティング支援企業とあるが、従来からのネット広告がメインで新規性は低い。
スタンダード市場上場で業績も横ばい状況で注目度は高くない。

さらに同日に超大型のJX金属が上場予定となっており、注目度は奪われることに。
上場ラッシュの中では影に隠れやすい要素が多く、買いが入りづらい印象。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、単体予想EPSは107.6。
想定価格860円から計算される予想PERは約7.99倍。

想定価格はかなり控えめな割安設定。さらに仮条件は上限800円と引き下げてきた。
引き合いのなさを露呈した形だが、割安感は十分演出している。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約22.7億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率78.3%で売出多め。オファリング・レシオも若干高め。

既存株主にベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
また上場後はロックアップが価格解除無しで180日が100％と固い。

ストック・オプションの未行使残は約50万株で行使価格は237円～500円。
行使期間が上場後1年で徐々に増えてくるが、追加行使から株価を下げるような動きになるかどうか？

業種にしては遅すぎる上場のイメージが強いので、買いがつきにくい印象。
ただし、上場後の売り圧は一旦感じられないことから手頃な価格感でINする層に期待といったところ。
残念ながら上場ラッシュ中にこの手のIPOは強弱感が出ると「弱」と出やすいことが多い。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ネット広告代理店業のようなもので、多くの上場会社はアドテクブーム時に上場している業態。
業績も特段伸びていないことから魅力には欠ける印象。

目論見書を読んでもサービス紹介や、ありきたりのビジョンばかりが書かれているのが残念。
特段、目新しい魅力的なサービスが見当たらないことから人気化は厳しそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

同日上場に注目度の高い大型IPOがあり、やや注目度に欠けるスタンダード市場上場。
業種に関しても今やレトロなネット広告系、初値はやや苦戦模様として総合評価をC級とする。
仮条件も引き下げて割安感はあるものの、人気がないと厳しいのがIPO情勢。

敢えて初値売りで儲けようとか、上場時に狙おうと思わせる要素に乏しい。

上場ラッシュ中にいかにも「弱」になりやすい銘柄なので、様子見姿勢で参加するのが吉になりそう。
初値予想は仮条件上限が800円と想定価格860円より安いことで、800円台目処が第一指定。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です