ビースタイルホールディングス(302A)のIPO新規上場情報

2002年創業の人材派遣業。初期の頃から短時間（パートタイム）派遣型に強みを持って運営。その後、全国版。「時短xハイキャリア」。など幅を広げて社会構造の変化に対応。

業種業績ともに悪くないし、吸収金額もそこそこで基本は人気が出るIPOだが、上場ラッシュ終盤で、そこまで新規性が高いように見えないため期待ほどの初値にはならない可能性も。

後は働き方改革や、年収の壁系の話題が政策テーマにもなっていることから、テーマ性の高いIPOとして評価されるか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2024年のオーラスIPO。最終アノマリーには少し期待したい。
事業内容は「パートタイム系」に強みのある、労働派遣・紹介業。
働き方改革などのテーマ性も高そう。

12月の上場ラッシュの最終日だが、単独上場になったのも大きい。
注目度視点では初値に好材料。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、連結予想EPSは266.12。
想定価格1,980円から計算される予想PERは約7.44倍。

やや控えめな価格設定で、IPOプレミアムディスカウントをしっかり入れている印象。
仮条件は少し強気にしてきたが、それでも上振れ少なく好感。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約12.9億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率64.9%と売出がやや多め。オファリングレシオも高めの水準。
筆頭株主は社長ではなくインテリジェンス創業メンバーの実業家島田亨氏で半分を売り出す。
社長の三原 邦彦氏も個人の持ち株を全数放出するなど手離れ感あり。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ロックアップは価格解除なしの180日でしっかり。

ストック・オプションの未行使残は214円など低価格で上場時参入約6万株など。
このあたりの行使からの売り圧は計算に入れておきたい。

需給面は上場ラッシュ最終日ながら10億レベルの吸収金額、上場時売り圧も特に問題なく良好と見る。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「しゅふJOB」という求人サイトでは、パートタイムジョブの働き方のメリットなどメディアとしても推進している。
派遣・紹介業だけでなくライフスタイルの充実や、働き方改革に即したサービス運営が見どころ。

労働市場の事業はIPOでも若手起業家が上場まで持ってくるなど、やはり事業となりやすいビジネス。
熱意とやり方で、まだまだ成長は起こりやすい産業という印象。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

年間オーラスIPOが特にデメリットのないスペックで出てきた時点で評価は普通に高くなる。
最終評価はB級評価として、積極参加したい。

価格設定も割高ではないので買いやすい。
一方で創業者系は上場時にある程度株を手放すことでイグジット姿勢。
それがやや安値算定に繋がっていそう。

安定的な利益は今後も続きそうだが、成長に関してはそれほどという結果になるかも知れない。
IPOだけの短期視点なら、初値がオーバーシュート気味になっても変動率高いマネーゲームが展開される可能性もあり。
類似企業（派遣系）のPER比較だと結局は2,500～3,000円あたりに収斂しそう。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です