Synspective(290A)のIPO新規上場情報

公募については国内募集株式数 19,041,200 株及び海外募集株式数 2,263,000 株を目処に行われる予定。

親引けあり（三菱電機株式会社60億上限、ヒューリック株式会社18億上限）とかなり多め。

吸収金額112億（想定価格ベース）もグローバルオファリングや親引けを考慮すると一般公募の吸収金額は少なめ。さらに主幹事野村證券でかなり供給は絞られそう。

人気が出やすい宇宙ベンチャーというのを考慮すると、上場時需給面でかなり初値上昇条件は整っている印象。

業績は売上急上昇で赤字を気にせず進めている状況で、まだまだ投資フェーズ。

同業種のQPS研究所の動きを見ても、買われやすい環境になってそうで期待。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

小型SAR衛星開発・運用の宇宙ベンチャー。注目度は当然高い。
「宇宙」が一番IPOらしい可能性を秘めている事業内容と言えそう。

似たような事業のQPS研究所が初値も良かったことは記憶に新しい。
まだまだ注目度はあると見たい。

上場日は上場ラッシュ中の2社同時上場。前日にはキオクシア上場。
同時上場の相方はdelyであちらも知名度高い。若干埋もれ気味にはなりやすいタイミング。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、連結予想EPSは-41.34で赤字。
想定価格460円から計算される予想PERは-約11.13倍。

業績は売上が急成長しているものの赤字拡大傾向で黒字の見込みはまだない。
先行投資の段階で、指標などは参考になりづらい。

割安性は意識できないが、想定価格のワンコイン価格は買いやすさはある。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約112億（想定価格ベースOA分含む）のやや大きめのIPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券。

全数公募で売出なし。オファリングレシオは標準範囲。

既存株主にはベンチャーキャピタルが散見されるが、この手のビジネスでは仕方のないところ。
ロックアップが価格解除なしの180日で掛かっているため、上場時に売りなし。

ストック・オプションの未行使残は134円で約940万株。すべて行使期間に入っている。
幅広く配られているようで、多少の売り圧にはなりそうだが、宇宙ベンチャーというのを考えればこれも妥当なところか？

需給面では112億の吸収金額が気になるかも知れないが、親引けで78億上限で予定。
海外配分も考慮すると意外にも一般への供給は少なそう。

さらに主幹事野村證券が割当の多数を占めているため、思っている以上に手に入れにくい銘柄。

宇宙ベンチャーで上場時に人気も出ることを加味すれば、需給面は悪くないと見る。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

宇宙ベンチャーは間違いなくIPOでも花形事業。
今はAIを少しでも利用していれば、新しい雰囲気と出てくるためAI系事業は目新しさが消えてきているが、
さすがに「宇宙」の看板は普通に企業では付けることは出来ない。

衛星の小型化・高機能化は日本が技術的にも得意としそうな分野で世界で活躍して欲しいところ。
やはり「子供たちの目が輝くようなビジネス」は魅力がないわけがない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

宇宙系IPOは人気がまだまだ継続として最終B級評価とする。
12月の上場ラッシュ中の煽りは受けそうだが、「強弱」が生まれるとすれば、こちらは「強」が出やすく悪くない。

赤字企業なので割安感の評価はできないが、500円以下の公開価格となり、かなり買いやすい。
親引けもあり、ロックアップも固いため需給面も引き締まると見られる。

こうなると初値で買い手がどこまでなら買えるか？の勝負になりやすそうで、
それなりの初値上昇が見込めるのではないか？という算段ができそう。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です