リガク・ホールディングス(268A)のIPO新規上場情報

大型IPOの上場観測がある中、ひょっこり紛れる大型ファンドイグジットIPO。カーライル系のファンドのイグジット。全数売出しで公募なし。

価格設定に割安感も感じないので、売出し株の魅力に薄い。初値も期待できず、プライマリーで買う要素に乏しい。

グローバルに展開している企業で海外にも半分売り出すなど、ある程度需給は締まるものの値付け評価を考えると、やはり初値期待は乏しいことから第一印象はD級評価、大手予想会社の感触なども踏まえて、BBスタンス時にDかCを判断したいところ。

事業はX線を用いた検査で、その装置などを製造している。技術レベルは高そう。上場時では知名度で押されそうで、やはり中長期でじっくりと向けか。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

X線技術を利用して様々な分野への活用機器を製造販売。
グローバルに展開しているのが見どころの一つ。

東証プライムへの上場銘柄は市場再編後、今のところ公募割れなしで来ておりプライム神話が続くか？
上場日は東京地下鉄上場日の翌々日で金曜日。

直近IPOの活況ぶりも影響しそう。
戦前のスケジュールの並び的には、買い疲れで初値には厳しそうな印象あり。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年12月度、連結予想EPSは52.87。
想定価格1,230円から計算される予想PERは約23.26倍。

ファンドのイグジットIPOにしては売値にディスカウントを感じない。
高値売りの強気姿勢では割安感は感じない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約1,260億（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証プライム市場。主幹事は野村證券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券。

全数売出しで公募０。売出し元はカーライル系のファンドが４割、元社長が４割で完全なるイグジット案件。

ロックアップはカバー率100％で180日が掛かっており、上場後の追加売り懸念は乏しい。

ストック・オプションの未行使残は254～550円で約750万株。
すべてが行使期間に入っており、こちらの売り圧力は懸念したい。

海外への売出しが半分を予定しているようだが、
それでも売りの量が増大で買い手に魅力が薄く需給面は相当厳しい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

2024年10月は東証プライムへの上場がこのリガクを合わせて3社予定。
もともとは更に半導体で有名なキオクシアも予定していたが、影響を考えて後にずらした。

眼鏡屋Zoffや東京メトロの知名度や分かりやすさに比べると、縁の下の力持ち的な技術力のリガクは不利と言えそう。
そこに来てあまり割安感も出ず、買うメリットが思い浮かばないとなれば売出し株の魅力には乏しいか？
上場初値は主幹事の力技でなんとかするかを考えるレベル。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

プライム神話を信じる方にとっては、申し込めばなんぼでも手に入りそうという銘柄。
しかし一般的には他のプライム銘柄に注目が集まりそうで、こちらのイグジットIPOは魅力に乏しい。
初値は公募同値が精一杯レベルに見えるため、最終総合評価はD評価とする。

大手予想会社などはいろいろな需要観測や、忖度評価も含めて、上場前から悪すぎる評価はしなさそうだが、
ここは個人で評価しているメリットを活かして、厳しい評価で締めくくりたい。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です