Ｓｃｈｏｏ(264A)のIPO新規上場情報

主にビジネス人員育成向けオンライン教育研修サービス。この手のサービスはいくつかあって激戦と感じるが、急成長しているのが強み。解約率も低い。

業績は赤字継続も売上急成長でようやく黒字化、このタイミングで上場を急いでイグジット臭が強い。

想定価格も精一杯高値をつけて市場放出イメージが強く、イグジット系が苦手な方は手出し無用か？

教育系コンテンツのIPOは上場後一旦盛り上がって、その後、泣かず飛ばず、業績も上場を境に伸び悩みする銘柄が多い印象。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

リスキリングで注目を集めるオンライン学習サービス。
運営歴が長く豊富なアーカイブでようやく花開く印象か？

上場予定日は予定通りなら東京メトロの前日。
IPOへの注目度も上がりそうなタイミングになってくれるかどうか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年9月度、単体予想EPSは43.61。
想定価格580円から計算される予想PERは約13.3倍。

成長率が非常に高く、今期で黒字化達成。
予定通り行くと想定価格では、この手の業種で成長が続く予測なら格安。
解約率（チャーンレート）の低さも自慢ということで、IPO時に買いやすい印象。

仮条件はそれを見越してか630円～690円と上げてきており、自信の表れだが高くなってしまった。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約36.1億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券。

売出株式比率81.6%と売出し多い。オファリング・レシオも50％超えと高い水準。

売出元は複数のベンチャーキャピタルを含むイグジット案件。
上場後は1年で価格解除なしというきつめのロックアップが掛かっている。

ストック・オプションの未行使残は134～348円で約80万株が上場時行使期間内。
上場後の売り圧力はこちらのストック・オプションの分量が意識されそう。

またVC勢のイグジットを考えるとストック・オプションも行使できる時に迷わず行使してイグジットに向かいやすそう。

需給面はやや厳し目の印象。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

社会人向けオンライン学習は需要も高く、競争も過熱しているが、ここは解約率が低く順調。
サービス自体の魅力の高さは感じるところで、法人研修・学習サービスの定番となればスケールは大きい。

「世の中から卒業をなくす」、社名はSchoolから「L」は外して、人生は終わりなき学びというポリシーは頼もしい。
「人生において学ぶことは楽しい・有意義」など、全ての人に生きがいを感じさせるサービスとして成長して欲しいところ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

上場時点で100万人以上の会員数、法人導入実績4,000社というのは大きい数字。
業績も急成長で企業としては期待したいが、IPO視点ではVC勢のイグジットというのが初値視点で評価が難しいところ。

期待値が高いIPOは結局強いことを考えると、やや前向きに評価したいが、
結果的には総合C級評価が妥当と言えそう。

1,000円以下の価格設定は買いやすく参加者は多くなりそう。
また時価総額も100億以下で成長余地を考えれば、一定数の買い手もいそうな気がする。
しかし、翌日には東京メトロの上場を控えているのを考えると、せっかくの注目度も持っていかれる可能性も。

主幹事が仮条件強気で問題なしの姿勢を見せていることを考えれば、
企業に期待できると考える人は参加してOKと考えたい。
IPOは短期で儲かるものだけ参加すれば良いというタイプはパスで良さそうか？

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です