ニッポンインシュア(5843)のIPO新規上場情報

福岡県天神本社の債務保証サービス。定番の家賃を中心に医療や介護系でも保証サービスを行う。
セクターはその他金融業で、金貸し業の「銀行とサラ金の間」ぐらいのイメージを持っている。また業種として新規性に乏しくIPOらしさはない。

うまく事業を回せばお金になる業種で、ここも業績推移は良い。他の儲かりそうなビジネスにもお金を回すことが多そう。保証サービスはクラウド化による効率化が差別化のある部分。

想定価格にディスカウント性はないが、10月初旬のスケジュール感や、IPOスペックに問題となる点が少なく、とりあえずプラス初値評価が出来そう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

家賃保証サービスがメインの事業で、事業自体に新規性は感じられない。
高齢社会になるに連れて、家賃のほか、介護や医療分野でも同様の債務保証サービスの必要性が高まっていそう。

上場日は10月のスタートIPOになるが2社同時上場。
相手方のIPOもかなり地味系となるため吸収金額の軽いこちらの方が初値や値動き的には優勢。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年9月度、単体予想EPSは79.23。
想定価格810円から計算される予想PERは約10.22倍。

比較的同業種は低PERが多い業界、業績は緩やかに伸びているのを見ると、
それなりに妥当な価格設定といったところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約13.2億円（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は野村證券。

公募売出比はほぼ半々。オファリングレシオは高水準。
創業者系のゴールで一旦利確は見えるところ。

既存株主にはベンチャーキャピタルの名は見当たらない。
ロックアップは価格解除なしの90日。

ストック・オプションの未行使残は650円、119,000株が上場時参入。
べらぼうに安くはないので、それなりに成果を出した報酬のイメージ。

なんとも中庸な状況と言えるが、10月のスタートIPOに入って他に注目されるIPOがない時期。
そこそこの買い需要が入りそうで、需給面では若干ポジティブに見たい程度。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

九州地場で着実に成長してきた企業と言える。業種的に成長力の魅力には乏しいが、フランチャイズに投資もするなど、
儲かりそうなビジネスなら進んで投資する態勢には見える。家賃保証以外への展開にも注目。

進んで投資するということは失敗の可能性もたくさんあるが、上場企業として今後もやりくりを続けてきそう。
なんというか九州連合とも仲が良さそうで、お互いに切磋琢磨して伸ばしていきそうな雰囲気はある。

天神に本店を構えることで応援したくなる一定数の層は出そうか？


５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

東証スタンダード上場で家賃保証というビジネスがメイン。如何にも中庸スペックのIPO。
これと言った注目もないが過去の例を見ても、ちゃんと利益が出ているビジネスとして評価されて初値はプラスで迎える事が多い。
総合評価としてはCよりのB評価とする。上場日周りのIPOも地味なところが多いため、それならここに参加しやすいか？

20期超えで比較的安定的に業績が推移していることも評価したい。
上場後に公開価格以上の評価として株価が上がる確率は高いほうだろう。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です