ネットスターズ(5590)のIPO新規上場情報

マルチQRコード決済サービス「StarPay」の他、キャッシュレス決済端末やDXソリューションの提供。対応QRコードが多く、海外旅行者でも利用ができそうなのが強み。

一方でこのプラットフォーム提供ビジネスも複数業者が競争している、まだまだパイはありそうな分野だが、どこかで成長が止まるかは予測がつかない。

業績は創業から先行投資で赤字続きで、予想も赤字。ただし売上の伸びと同じレベルで赤字縮小しており、黒字化一歩手前。

上場時の売出も多めで上位株主にはVCも目立つ。一旦の出口と見られて少し牽制気味になる可能性も。

※9月7日（仮条件発表時）に売出株数などの変更あり

売出:2,808,100→2,524,100株
OA売出:526,200→483,600株

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

マルチQRコード決済サービス「StarPay」などキャッシュレス決済関連。
一時期はこれからのサービスで伸びることからIPOでも人気が高かったが、そろそろ陰り。

後発上場の割には赤字のまま上場で、期待感より不安感が強くなりそう。
上場日は2社同時上場、相手方が弱いために業種比較では注目度では一応上になりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、連結予想EPSは-41.01で赤字。
想定価格1,730円から計算される予想PERは約-42.18倍。

赤字ということで割安性では判断できない。
仮条件は想定価格1,730円から1,420円～1,450円と大幅割引。

人気の無さを露呈してしまったのは痛いところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約69.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は大和証券とSMBC日興証券の共同主幹事。

売出株式比率80％と売出多く、イグジットぽさが出る。今の地合いではこのスペックは気になる。

既存株主にベンチャーキャピタルからの出資が並ぶ。
また多く持っているVCがロックアップが1.5倍で外れる、期間も他と比べて90日ということから
ロックアップ解除で真っ先に売りが出る可能性がある（上場時に売り出してないため、他社よりも早く売りたいだろう）。

ストック・オプションの未行使残は行使価格が500円～2025円で多様。
決議年月日を見ると高い行使価格のものは最近のもので、直近の評価が落ち気味なのが分かる。

上場時の需給面では人気なく規模感を考えても厳しいか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

キャッシュレス決済では上場後発。業績も増収傾向ではあるが、赤字解消に至ってないのは残念。
IPO地合いも考えるとこの時点でのイグジットは理解されづらく、特に上場時の人気化はし辛いだろう。

まだまだ日本ではキャッシュレス化の普及は進む世の中かと思うが、この銘柄に限っては上場時点ではそこは評価されづらい。
上場後も既存株主の売り圧が強く、買い側に回るならもっと安くなってからという事になりそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

新規承認時の第一印象では、他の銘柄が微妙なところでキャッシュレス決済系という
やや注目度が上がるか？というIPOの登場ということでB評価にしたが、中身を見ていくと不安材料多い。
特に今のIPO地合いでイグジット気配が強いIPOで、そこそこ吸収金額があると初値で買い支えづらそう。

一旦、株価が下がってからようやくINできるかという雰囲気で仮条件大幅引き下げだけでは十分とは言えない。
色々なIPOを選別できる一般投資家は慎重な姿勢で見ていきたい。

最終評価は残念ながらDよりのC評価とする。
業種自体は成長の余地があるので、十分株価が下がれば楽しめる銘柄になる可能性はある。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です