揚羽(9330)のIPO新規上場情報

企業のブランディング事業。映像やグラフィック、キャッチコピー、Webサイトなどで総合的に支援・展開。自社ブランディングが苦手なところがアウトソーシングする模様。

事業的には広告よりもさらに外側のサービス業で、ぱっと見では不人気業種。不景気の時代だとあっという間に仕事がなくなりそう。

創業以来の売上の伸びをアピールしているが、直近だけを見ると成長力をあまり感じない中、PR系の同業種より割高感ある。

イグジットIPOが軒並み公募割れのIPO地合いでグロース小型というだけで好評価されるかどうか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

漢字の社名からは街の飲食店にありそうな名前だが、コーポレートブランディングの会社。
それほど新規性は感じない事業だが、アピール力はありそう。

上場日は9月下旬の上場ラッシュが始まるスタート近く、
前日に大型ファンドの上場があることで、どこまで影響するか？マイナス影響は少なからずありそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年9月度、単体予想EPSは69.3。
想定価格1,390円から計算される予想PERは約20.06倍。

売上はほぼ横ばいで成長力なし。企業ブランディング会社とPER比較すると割高。
IPOらしいディスカウントは欲しかったところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約7.19億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は岡三証券。

既存株主にベンチャーキャピタルなどは見当たらない。
ロックアップも価格解除なしの180日で固い。

ストック・オプションの未行使残は500円、800円で上場時参入58,200株。
妥当なラインだが上場時の買い圧が少ないとこの程度の売り玉でも気になる。

吸収金額10億以下で需給面は良いとしたいが、
主幹事岡三証券でそれほど買いが集まらない可能性も考えると、需給面だけで盛り上がるとは言いづらい。
地方上場ではなくてグロースへの上場なのでなんとかなって欲しいところ。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

企業のブランディングを請け負う会社で新規性には乏しい。しかしブランディングはどうも弱い会社がたくさんあるので、
こういった事業のアウトソーシング需要はどの時代でもあると思われ、相当な不景気が来ない限りは食いっぱぐれはなさそうな会社。

売上推移を見ると成長性に乏しいので期待されなさそうだが、目論見書では創業来からのグラフで成長を描いている。
長い目で見てほしいということなのだろうが、その長い目でみた成長期待を想定価格に織り込んでいる印象。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

グロースへの上場となるが、昔のジャスダックスタンダード上場のような銘柄。
短期での成長性には乏しく見えるので、そうなると想定価格に割安感を感じない。

吸収金額10億以下で、需給面で初値はなんとかというのが一般的な見方になりそうだが、
地合い次第では需給面だけでは初値が上がらないことも想定されるので注意。

注目度は前日の大型ファンド上場に奪われそうで、あまり波風立たないスタートになりそう。
高速道路で軽自動車で走行車線走っていて、横に大型トラックが通るようなイメージ。
風圧は来るだろうが、しっかりとしたハンドリングで上場日を迎えて欲しい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です