クオルテック(9165)のIPO新規上場情報

電子部品の不良解析（テスト）や微細加工を得意とする。自動車部品の取り扱いが高い。大阪府堺市本店。

ベンチャーキャピタルが100％売り出すなどし、高い売出株式比率でイグジット系。やや値ガサ、吸収金額も大きめで慎重なBB検討が必要になりそう。

売上は横ばいかやや減少気味、利益は不安定。成長期待はしづらく、価格設定にこれと言った割安感もない。

主幹事野村證券で格好をつける可能性はあるが、やや不透明というのが第一印象。BB時にIPO全体の地合いも確認したい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

電子部品の微細加工や故障解析が得意とする企業。主に自動車部品が多い（デンソー向け）。
本店大阪府堺市に置きIPOでは地味系に分類。

初値上昇に必要とされる注目度の点では割引が必要。
上場日は同時上場。もう1社もゲームセンターということで斜陽感があるが注目度は相手の方が高そう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年6月度、単体予想EPSは105.48。
想定価格2,540円から計算される予想PERは約24.08倍。

業績に成長をあまり感じない事を考えると価格設定はやや割高。
主幹事が精一杯、評価した結果に思える。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約35.1億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券。

売出株式比率79.3%と売出が多い。オファリングレシオも高い水準。
ベンチャーキャピタルが100％売り出すイグジットIPO。
IPO好調の勢いに乗って高値で売り切ろう感が強い。

上場後はロックアップ90日が掛かっており追加の売り圧はなし。

ストック・オプションの未行使残もなし。

上場後の売り圧はないのだが、中規模のイグジットIPOに買い需要が追いつくかどうか？
上場日には100億を超えるもう1社もあるため、非常に怪しい状況。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

現状は自動車の電子部品向けが多いようだが、ジャンルを問わず様々な解析・加工・テストなどを行っている。
そういった隠れた魅力はあるのかもしれないが、上場時に認識されることはなさそう。

ベンチャーキャピタルが高値でイグジットしようというのが真正面から見えているIPOであり、
参加義務のない公募組が敢えて求めるような内容ではない。魅力は薄いと言えそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

やや割高感のあるイグジットIPOとなっていて、公募人気は薄そう。
上場日は同時上場といううことも考えると初値を期待するのが難しい内容。

地合い次第の微妙IPOということで最終評価はC評価とする。

野村證券主幹事なので、こういったIPOでも普通に手に入りにくいと見られ
旨味もそれほどないのに手に入れるのも難しいという、ちょっとトーンの下がるIPOという評価。

うまく地合いに乗れば上値目処として3,000円ライン。乗れなくても2,500円ぐらいで逃げ切れそうなIPO。
2,500円～3,000円予想がぴったりなIPO。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です