ＴＯＲＩＣＯ(7138)のIPO新規上場情報

「漫画全巻ドットコム」を運営するインターネットマンガ店。電子書籍などにも参入しているが、基本はマンガ・アニメを主体にした小売業。
コロナ禍での巣ごもり需要、鬼滅の刃などヒットマンガ到来で業績急伸。
想定価格は急伸加味も妥当な数値ライン。

小粒感があるので買いが入らない状況でもなんとかなるか？地合いを見て「BorC」という評価になりそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

「漫画全巻ドッドコム」という漫画一気読み（大人買い）サービスが中心。
最近ではデジタル配信や、マンガ・アニメに付随した関連事業も（イベント・グッズ販売）

マザーズ上場の小型案件ということで注目されるか？
マネーゲーム的な動きになりやすそうだが、このところのIPOの買いの少なさは気がかり。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年3月度、連結予想EPSは228.43円。
想定価格1,830円から計算される予想PERは約8.01倍。

現状の成長力を考えると十分な割安設定と思えるが、仮条件はさらに引き下げと弱気。
コロナ禍やマンガタイトルヒットで伸びているが先行きに関しては不透明なのかもしれない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約3.15億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比率は公募１：売出２で売出が多い。オファリングレシオは低めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルなどからの出資が多数見られる。
あまり売り出しておらず保有が残るため、ロックアップ解除となる１．５倍価格からは売り玉が多い。

またストックオプションの未行使残は６２５円、８５０円価格で20万弱の量が行使期間になる。

上場後の売り玉圧力が多いように感じる。

吸収規模は小さいもののVCの投資が多く、特にロックアップ解除の1.5倍からは厳しい需給になりそう。
それまでは公募売出株には希少性があると見られるか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

もともとは全巻売りECサイトということで小売業セクター。これだけだと業態は古い。
最近ではデジタル書店・マンガ派生ビジネスにも取り組んでいて、とにかくマンガ特化している模様。

電子書籍関連も今や競合の激しい分野となっているので、派生ビジネスなども含めてどこまで独自性出せるか？
「全巻売り」でもともと利用者の欲しいサービスを考えることは得意そうなので、上場後の新しい試みにも期待したい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

既存株主にVC保有が多いなど気になる点もあるが、マザーズ上場の小粒IPO。
上場タイミングが違えば普通にB級評価出来ていたスペックと感じる。
公募売出枚数1500枚は普通にプラチナチケット案件。

事業に関しては電子書籍関連とみても、もう目新しさはないと言っていい。
しかしながら何かしら特色を付けるのが得意（全巻売り・隙間時間狙い）と見れて、上場後の新規ビジネスにも期待したい。

社会情勢や株式市場の不安定さ、IPO地合いの悪さなどあるものの、
これほど小型で成長して上場する会社なので応援はしたくなることを加味して最終B級評価とする。
1.5倍ラインを目安とした攻防が出来るかどうか？

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です