Repertoire Genesis(9217)のIPO新規上場情報

免疫多様性解析のバイオベンチャー。
売上は株主でもある全薬工業からの研究開発資金で一時的に黒字化。上場前のお化粧に見える。
上位株主はVCで売出も多く、換金化案件か？

大阪府茨木市彩都はバイオベンチャーの宝庫。同じ場所にアンジェスも。

この時期にバイオベンチャーを滑り込ませるぐらいだから、主幹事みずほ証券ということもあり恐らく仮条件引き下げで安値感を出してなんとかしようと考えてそうだが、今の地合いはそんなに甘くないのでかなり苦しい事になりそう。

仮条件決定時に売り出し数変更（減少）
売出:732,000→528,000
O.A:249,300→218,700

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

免疫系解析のバイオベンチャー。黒字になっている時期は株主に売上として研究資金貰っている。
実質赤字バイオベンチャーの資金集め上場と言えそう。

IPOに資金が集まりにくい時期にこの系統のIPOはかなり厳しいと見ておきたい。
大阪彩都にある企業。他のバイオ企業の株価回復してからにしろという声が多くなりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年12月度、単体予想EPSは19.33円。
想定価格1,640円から計算される予想PERは約84.84倍。

売上は研究資金を提携先から貰っているもので、実質ないに等しい。
そのため、PERなどの数値から割安性は測れない。実際、上市となりそうなのはかなり先か？

みずほ証券お得意の仮条件大幅引き下げで安く見せる作戦も今回は厳しそう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約27.4億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率36.2%と公募多め。オファリングレシオは高めの水準。

筆頭株主はベンチャーキャピタルでいわゆるイグジット換金上場。
1社は売出しないことになったので、上場後も保有数が残り、どんどん売り圧が降ってくることが予想される。

ストックオプションの未行使残は100～500円まで、そこそこ大量にあるため
仮条件を750～1,050円まで引き下げたとしても、まだストックオプション価格より数倍価格として見られそう。

バイオベンチャーのIPOは地合いの悪さをもろに受けやすく、
とてもじゃないが買いが入らないIPOになりそう。正直厳しい結果が待ち受けているところだろう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

事業として行っている「免疫多様性解析」は未知の病気の治療開発として素直に評価したい。
しかしあまりにも一発勝負のギャンブル案件で、上場して資金集めには苦しみそう。

IPOで投資して儲けたいという層からは魅力に欠けるといえる。
割の悪いギャンブルと言うか、VC勢や既存株主にわざわざ出口として儲けさせてしまうのも癪に障るか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPOの地合いの悪い時に、バイオベンチャー系（ギャンブル的な投資）や
不人気セクター系のIPOは初値苦戦が常識。
仮条件を大幅に引き下げてきたが、そういった魅力に欠けるところにわざわざ進んで投資という人は少なそう。

IPO何でも来いという人以外は、やはり避けるのが無難か？

恐らく人気なしで申し込めばかなりの確率で手に入りそう。
しかし初値は公開価格付近での、ギリギリ半丁博打のようになりそうで全く公募株に魅力を感じない。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です