Ｔｒｕｅ Ｄａｔａ(4416)のIPO新規上場情報

いちよし証券主幹事。POSデータによる購買データからマーケティング支援。コンビニ中心から対象幅を広げてビッグデータ解析中心に構造転換→効果ありで業績向上。

100％売出のＩＮＣＪは産業革新投資機構で官民出資ファンド。ファンドのイグジットIPOにはなる。

中規模でIPO過密スケジュールからの買いの少なさが露呈すると初値に不安材料あり。ロックアップの掛かりも悪く、早期売却勢も多そう。

ビッグデータ系とあまり期待しないほうが良いかもしれない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ビッグデータ関連。POSデータでデータマーケティング支援と行う。
コンビニ向け中心だったが、ビッグデータ解析に舵を切って業績向上。

いちよし証券主幹事。注目度という点ではそれほどでもなさそう。
どちらかというとラッシュ期では埋もれやすいタイプに見える。
12月16日は2社同時上場。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年3月度、単体予想EPSは2.15円。
想定価格2,220円から計算される予想PERは約1,032.56倍。

売上が横ばいの状況などを考えると、割高感のある価格設定。
仮条件の引き上げなし。お得感は感じない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約31.4億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はいちよし幹事。

売出株式比率86.2%と売出IPO。INCJ（産業革新投資機構）が100％売り出す。

それ以外はロックアップが掛かっていない企業保有株が多い。
持ち合いなどあるかもしれないが、ロックアップなしは早期売却の不安が高い。

ストック・オプションの未行使残は価格帯300～400円。こちらのボリュームもそこそこ。

中規模の吸収金額に、ロックアップの掛かりの悪さを見ると、
需給の面では良好とは言えない。割高感も含めて案外評価出来ないのが正直なところ。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「ビッグデータ関連」はIPOでは人気の高い業種の一つ。データマーケティングは小売業が使う主流のサービス。
業績は売上がほぼ横ばいで、業種に対しての伸び代が感じにくいのも残念。
ファンドが事業改革でうまくイグジットまで持ってきた印象。

正直、ワクワクするような技術内容を感じなかったが、
コンビニの行動データなど古くからの大量データがあることは企業としての強みか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

改めて複数の面から評価をしたが、社名や業種のパット見の第一印象よりも悪く感じた。
イグジット系で割高感、さらに業績の伸びもいまいちと苦しい部分目立つ。
とはいえ、業種はビッグデータ解析系で、そのデータや手法自体は確立していそう。

官民ファンドが100％売出で他の既存株主が上場時売出しないことからロックアップを付けてないようだが、
こうなると早期売却の可能性が怖いと感じるのが、上場時参入組の考えになりそう。
買い意欲が薄れることになり、上場ラッシュ中では他のIPOに資金が逃げそう。

見た目の業種よりも思ったほど初値は伸びないことも覚悟しておいたほうが良さそう。
最終評価はBよりのC評価とします。公募同値ぐらいでも仕方ないイメージで見ておきたい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です