ボードルア(4413)のIPO新規上場情報

ボールドア「baudroie」はフランス語でアンコウ。

ITインフラストラクチャ事業。ネットSE人材派遣みたいなイメージで資金使途でも人件費に関するものが多い。

コロナ禍のテレワーク導入などもあってか業績は順調で、15期を迎えても成長が伺える。想定価格はそれなりといったところ。

第一印象のスペック的に初値伸びそうだが、このところIPOの地合いが悪く、やや中規模でパットするものがないとほどほどしか上がらない現状をどうみるか？

個人的には会社の離職率、平均給与の低さなどが気になる。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ITインフラ（ネットワーク環境）と同時にクラウドソフトウェア環境も構築。
仮想化技術などでテレワーク推進系として時流に乗ったビジネスと言える。

業種・業績ともによりベンチャー企業のIPOで鉄板タイプだが、このところのIPOの弱さがどう影響するか？
一応、11月のトリを飾る単独上場。普段なら頑張った初値結果が見られるはず。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年2月度、単体予想EPSは65.23円。
想定価格1,850円から計算される予想PERは約28.36倍。

成長度を見ていると価格設定は妥当な水準。
この価格で評価されないと上場しても？というぐらいなので結果が出て欲しい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約29.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率57.9%と若干売出が多いが、VC保有なく個人からバラバラと売出。
オファリングレシオは標準範囲。

ロックアップは価格解除なしの180日がしっかりと掛かっていて上場後の既存株主の売りなし。

ストック・オプションの未行使残も特段気になる部分はない。

中規模案件だが需給面は良好。特に売り圧力は少なめで、
公募組とセカンダリー組での需給で決まってきそう。

11月末にセカンダリー勢のマインドが改善しているか・・・？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

クラウドシステムなどを企業に導入する業種のIPOは人気の高い業種。少し前から花形IPOの一つと言えそう。
ネットワーク仮想化技術によるテレワーク推進事業が時流に乗る。今後も伸びる可能性は高い。

従業員の離職率や給与の低さは会社の体制として気になる（IT土管屋のイメージ）が、
資金使途は「人件費」がメイン。上場後はしっかりと人材育成と高待遇に取り組んで欲しいところ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

総合的に見ても初値に対して懸念になるのは、中規模という点とIPO地合いの弱さぐらいで良好IPO。
特に既存株主の売り圧力がほぼないことは評価したく、ここに来てセカンダリー勢に恩恵が出るか？

業種は時流に乗っていて、業績も伸びているので妥当な価格帯で公開価格が出ているとも取れる。

時期が違えば（IPOが好調なら）A評価されていてもおかしくはない銘柄だが、
最終的な総合評価はB評価とする。B評価にするのでさすがに公募割れは免れて欲しい。

公開価格2,000円として1.5倍の3,000円がスタートラインの目途になりやすそうだが、
このままIPOの地合いが悪いなら3,000円手前のスタートが良いところか？

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です