シンプレクス・ホールディングス(4373)のIPO新規上場情報

グローバルオファリング（売出しについては国内売出株式数 9,604,800 株及び海外売出株式数 11,045,500 株を目処に行われる予定）

2002年ジャスダック上場→2013年10月に上場廃止の再上場案件。

業種としてはフィンテック系でテーマ性高いもののファンド（カーライル系）の現金化イベントIPOでどう評価されるか？

業績は堅調に見え、指標的にも適正なIPOプレミアムディスカウントは感じられる。

東1上場で吸収金額300億超え、3社同時上場予定など初値には厳しい条件の中を乗り切るか？なんだかBB中はちょい上げ予想から直前になって公募割れ不安に変更でフィフティ・フィフティのリスク・リターンレベルになりそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

東証１部上場予定の大型再上場案件。カーライル系のイグジットIPO。
業種はDX系にシフトしていて人気業種だが、最近の同業IPOベンチャーはあまり株価が奮わない。

印象が悪い再上場案件、全数売出IPOでどこまで？
上場日は上場ラッシュ初日、３社同時上場予定。普通に考えれば厳しい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年3月度、連結予想EPSは77.65円。
想定価格1,520円から計算される予想PERは約19.58倍。

仮条件はやや強気で海外需要を見込んでいるか？
そうであれば東証1部上場の中では成長度を考えれば比較して買いやすいのかもしれない。

逆に仮条件が下げてこなかったことで、割安感に関してはあと一歩感じない状態。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約335億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証1部市場。主幹事はSMBC日興証券。

全数売出のIPOで公募０。
筆頭株主のファンドは今回の売出で100％手放す。
残る既存株へのロックアップはきつめの360日（1年）。追加売りの懸念は少ない。

ストック・オプションの未行使残は上場時に1000万株以上が権利行使可能。
ストック・オプションのボリュームは懸念点のひとつと言えそう。

需給面は厳しいが、海外需要次第な部分もある。
また東証1部上場ということで一定数の買いは期待できる。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

上場廃止で構造改革を行い、しっかりと業績アップしてのイグジットIPOではある。

また今後の成長に期待できそうなDXコンサル系ということで本来ならば人気業種だが、
昨年度辺りからのDXコンサル系の株価がいまいちなのは気がかり。

再上場後、今度はジリジリと企業価値を上げてきそうな雰囲気はあるものの、
他の小型ベンチャーIPOと比較すると成長期待度の魅力には欠けると言えそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

BBスタンスを決める評価時点で五分五分程度にどうしてもなってしまう銘柄。
再上場案件・ファンドのイグジット案件が問答無用で嫌悪感がある場合はパスで良さそう。

一方、こういった微妙銘柄では当選期待がそれなりにあるので、
攻めることで良い小遣いになる可能性はある。
東証1部に上場すること、仮条件の雰囲気から一定数の需要はありそうということ。
後は業績も伸びていて業種も悪くないことから、微妙銘柄でも初値プラスになることが比較的多いスペックと言える。

9月末の銘柄は多いので、あえて火中の栗を拾うことはしなくても良いかもしれない。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です