ステラファーマ(4888)のIPO新規上場情報

かねてから上場観測のあった「BNCT……Boron Neutron Capture Therapy（ホウ素中性子捕捉療法）」という新しいがんの治療法を実用化している会社。ステラケミファ（4109）の子会社。

赤字バイオIPOという形になるが、他の銘柄よりは実用化が進んでいて形が見えている。

全数公募の売出なし。単価が安く買いやすさアピールのみずほ証券。

気になるのは同日上場にビズリーチのビジョナルがいるので比較されて買い威力が奪われる可能性。

個人的には応援したいし評価したいが、甘く見てはいけないとやや厳し目の第一印象評価。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

BNCTという新しいがん治療法を提要するバイオベンチャー。
ステラケミファ子会社。

IPOの地合いが弱いとこういった赤字バイオは苦しくなるが、直前気配がどうなるか？
なお3社同時上場というのも初値には厳しい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年3月度、単体予想EPSは-33.01円。
想定価格510円から計算される予想PERは約-15.45倍。

現在のところ黒字化の見通しはなく、新しい治療法の期待感にかけるギャンブル銘柄。
割安感では測れないが仮条件は400～460円と引き下げてきて、
みずほ証券らしくワンコイン以下を演出してきた。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約43.3億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はみずほ証券。

売出なしの全数公募IPO。オファリングレシオは高めの標準範囲。

親会社のスケラケミファが半数以上の株を保有。180日のロックアップあり。

ストック・オプションの行使価格が500や582円ということを考えると、
想定価格や仮条件が決してふっかけた値段じゃない雰囲気はある。

ただ、40億程度の規模感で期待感だけで買われるバイオベンチャー。
IPOの地合いが悪い状況が続けば初値は少し苦しいがどうか？

需給は当日の地合い次第としたい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

事業のBNCTという新しいがん治療法は患者負担軽減などを考えると素晴らしい方法だと感じる。
2020年に製造販売を開始しており、これからBNCT治療を行う人も増えそう。

技術やサービスには魅力があるが、IPO初値的にはギャンブル銘柄になっている。
単価が安いので、しっかり応援したい人は長期勝負の銘柄かも知れない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

まずIPO初値視点でいうと赤字バイオのギャンブル銘柄。
今回は単価も安めで公募割れした時の1枚あたりのマイナスも少なそうだが、利益も見込みにくい。
主幹事みずほ証券などではセット配分となりそう。

治療法が世に出回ったのは2020年で、これからがん治療の一つとして広まりそうではあるので、
長期的な視野で活躍を応援するのも良いかも知れない銘柄。

IPOイケイケ状態なら良かったのだが、3月IPOの途中から急激にマインドが落ちている中では、
こういったギャンブル的で微妙な銘柄は推奨しにくい状態。
結果的に公募同値から微プラスならという見込みでブックビルしたい。長い目で見たい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です