アイスコ(7698)のIPO新規上場情報

アイスクリームなど冷凍食品の卸売授業。スーパーマーケット運営も展開。グリコが大株主にいる。
コロナ禍で需要が拡大し追い風となった模様。

卸売業で地味な業態だが、その分価格設定は控えめになっている。

主幹事野村證券で、規模感を考えても初値はしっかりとしたもので落ち着きそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

冷凍食品の卸売業。自社でスーパーマーケットも運営している。
70期を迎える老舗企業で地味感の強さから注目度は薄め。

コロナ禍で家庭用冷凍食品の需要が増えて業績向上、勢いに乗っての上場か？
スケジュール面では同時上場の相方が延期となって単独上場に。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年3月度、単体予想EPSは207.31円。
想定価格1,750円から計算される予想PERは約8.44倍。

卸売業セクターで見れば妥当価格といったところ。
スーパーマーケットも運営しているので小売セクターでみればもう少し評価できそう。
仮条件は引き上げているので、割安感は少し和らいでいる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約10.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場はジャスダックスタンダード市場。主幹事は野村證券。
（いかにもジャスダックスタンダードに上場しそうなIPO）

売出株式比率59.2%と若干売り出し多い程度。オファリングレシオはやや高めの標準範囲一杯。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ロックアップも価格解除なしの90日と固い。
ストック・オプションの未行使残は1,000円程度で14万株程度。
この手のIPOにストック・オプションがあるのが珍しいが、気にするようなものではなさそう。

10億程度のIPOということで需給はしっかりしたものになりそうで問題なしと見る。
2社同時上場もなくなり、追い風上場が加速している。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「アイスコ」という愛くるしい社名で人気が出そう。特徴として店舗の売り場まで直接冷凍食品を陳列までサポートする
「フルメンテナンスサービス」を行っている。卸売業では結構売り場争いなど激しいが、
小売店の従業員の手間を削減してアイスコの卸売品をしっかり納入するという手段。

冷凍食品系は他社でもこういうことをしているし、他のお菓子などの卸売でもスーパーなどに別の業者が、
出入りして売り場に立っていることはよく見る。特段新しい事業内容ということもない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

創業70周年を迎える企業が今になってIPOは、やはりコロナ禍で冷凍食品など需要が伸びて
業績アップのアゲアゲ状態と言えそう。上場日は強力な相方が延期となって単独上場に。
とことん追い風上場となりそうな雰囲気はある。

一方、地味な業態で新規性も感じられないので、
通常通りのIPO評価なら微妙判断しているという銘柄というのも意識しておきたい。
今後の成長に関しては懐疑的に考えておきたい。

食品卸売業は今後も安定的に推移しそうな分野なので、
上場後は高配当、株主優待などで安定株主に優遇があるような措置が求められそう。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です