スパイダープラス(4192)のIPO新規上場情報

建築業界のDX化支援。大型建設系を主としている模様。
成長率高く伸び盛りだが、野村證券主幹事ということで見込まれた想定価格・仮条件になってきそう。

既存株主へのロックアップはある程度しっかり、ストックオプションが割安で多く、結構潜在的な売り圧力は感じるところ。

攻め目線で検討したいが、上場も過密になってきているだけに直前の雰囲気も予測して考えたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

建設業向けのDX化アプリサービス。DX化ということでテーマ性はある。
テック系として注目度も高そう。

3月の最終IPOとなり、2社同時上場だが今年は3月の数がそれほど多くないため
最後まで買いが続きそうな流れも後押ししそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年12月度、単体予想EPSは-19.11円。
想定価格1,010円から計算される予想PERは約-52.85倍。

黒字化していたが赤字転落する予想となっている。
この状況で上場に踏み切る部分を投資家がどう判断するか？
強気の野村證券主幹事らしいIPOと感じる。割安感で評価してはいけない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約88.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事は野村證券。

公募売出比率は若干売出しが多い程度。オファリングレシオは高めの標準範囲。
枚数がかなり多い、やや供給過多な印象。

ベンチャーキャピタルからの出資は180万株ほどの1社。
半分は売出で、残りにはロックアップが掛かっている（1.5倍の価格解除あり）

ストックオプションに未行使残のボリュームが全体で430万株とかなり多い。
価格帯も120～180円と安い。上場時は105万株程度だが、半年レベルでさらに売り圧が増える。

需給面では結構売り目線のものが多く、いまいちな印象。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

建設業向けのDX化アプリではテレビCMで戸建住宅の工務店には「ANDPAD」、大型建設には「SPIDERPLUS」で、
見たことがある人が多いかもしれない。それぞれの分野でしのぎを削っていて成長している分野。

建築現場でのIT化は人手不足などからも急務で、期待度は高いと言えそう。
それにしても上場時の売り側目線が強いので、初値そこそこでジリジリと伸びれるかという雰囲気。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

事業には期待だが、需給面などで初値はあまり強気になれない銘柄。
3月の最終IPOで複数上場、もう一社が注目度高く、初値で割りを食いそうな印象。
とりあえず微増程度の結果となれば御の字と見て良いかもしれない。

野村證券主幹事らしく、価格面など売り手市場の印象も強い。
枚数自体は多いので、野村證券でも当選期待は他のIPOよりは上がると見て期待したい。

今年の3月IPOが粒ぞろいの銘柄が多く、初値好調でIPO地合いが良くなる流れで
月末まで来ると見ており、その流れでなんとか好調発進となりそうな銘柄。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です