いつも(7694)のIPO新規上場情報

EC総合支援。複数の大手マーケットプレイスに対してトータルサポートで運営。多くの契約企業がすでにある。
業績の伸びも順調で、業種・業績の両面で人気化しそうな銘柄。

ベンチャーキャピタルからの出資も見当たらない。

吸収規模中規模も、それほど見込んだ価格でもないので総合的にも好印象のIPO。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ECプラットフォーム事業。昨今のEC市場拡大から伸びている産業の一つ。
上場企業も増えてきているが、まだまだ注目したいところ。

一方、IPOでは過密スケジュールで買い疲れ感が出てくる頃。
初値視点では予想よりも伸びないことも想定しておきたい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年3月度、単体予想EPSは72.68円。
想定価格1,440円から計算される予想PERは約19.81倍。

業績の伸びもよく割安感のある価格設定。
小売セクターということもあるのかもしれないが、割安性は参加し易さから高く評価したい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約23.1億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はみずほ証券。

公募売出比は4:3で公募が多い。オファリングレシオは高めの標準範囲。
事業に対するIPO規模感はやや大きく感じる。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらず。創業者のアイデアからビジネスを発展させたのは立派と言える。
その殆ど（90％程度）の株を持っている創業者には180日のロックアップ。

ストック・オプションの未行使残は41円行使で約40万株弱あるが行使期間が9ヶ月先以降。

上場時は公募組を除いては売り圧力が見当たらない。
吸収規模の大きさから公募組xセカンダリー勢の需給争いとなりそう。

基本、公募株はお買い得に見えるので公募組がそんな安値で売らなければ初値は伸びそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「いつも」のホームページの導入事例を見ると内容が分かりやすい。
「吉野家」など食品小売でも公式ECサイトの他、「Amazon」「楽天」「ヤフーショッピング」などに同じ商品が同価格で出ている。

他社の公式ショッピングサイトを各プラットフォームで一手に引き受けている印象。
契約会社は本業を頑張りつつ、ECは支援会社にお任せして商品の内容勝負で戦える。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

コロナ禍の影響でますますECの必要性が高まったと感じる昨今。
こういったEC総合支援企業の活躍は続きそう。

IPOスペック的には業績も綺麗な右肩上がりで、想定価格に割安感もある。
唯一、初値への影響としては吸収規模の大きさがあるが、一方で上場後の売り圧力が皆無。

公募株の手に入れ易さも考えれば12月IPOの中で妙味的にも狙い目IPOと言えるかもしれない。

比較的多くの方に、やや大きな利益をもたらすような案件になって欲しい。

全体考察
総合得点は9点で、私のBBスタンスはA評価です