バリオセキュア(4494)のIPO新規上場情報

3月上場予定だったものの出直し案件。
ファンドのイグジット系。再上場銘柄。
主幹事野村證券で同業他社比較では珍しく見た目上割安感を出す弱気案件。
東証2部上場予定。成長力を感じない。

IPOとしての魅力に欠ける部分が多いが、主幹事の手腕でなんとか売出価格付近でのスタートに持ってくるか？初値向きの銘柄ではないことは確か。

第一印象はパスで、IPO地合いなどを考慮して最終判断したい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

3月に上場予定だったがコロナ禍で延期になった銘柄。
再上場案件で当時も厄介者扱いされていたが、出直しでどうか？

上場日は今度は月末の単独上場となった。
スケジュール面では明らかに上向き評価できる。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年2月度、単体予想EPSは131.48円。
想定価格2,120円から計算される予想PERは約16.81倍。

業績横ばいの東証2部上場で成長性は考えずに行きたい。
同業他社比較で見ると野村證券にしては妥当な設定になっている。
なお、仮条件は少しではあるが引き上げの強気態勢。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約60.1億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証2部市場。主幹事は野村證券。

全数売出しのファンドイグジット案件。完全に売り側（ファンド）目線のIPO。
ファンドの現金化イベントに対して、どう向き合うか。

売り出し後もファンドが筆頭株主として残る。ロックアップも1.5倍で解除や90日解除と緩め。
他の株主も価格解除はないが90日でロックアップ解除となる。

ストック・オプションの未行使残は500円価格で30万弱が行使期間に入っている。

需給面で特段メリットとなる分はなく、この項目は弱気に見たい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

セクターが情報通信業でセキュリティ関連はそこそこ需要が高い為、そこは魅力の一つ。
ただ、やはり過去の上場廃止の経緯から、今回のファンド売出し上場までを見ると手を出しづらい。

IPOの初値に対する魅力は、やはり手垢がついていないのと、新規ビジネスの成長性期待が一番と考えれば、
この銘柄に対するIPOとしての魅力には欠けると言える。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

再上場案件でファンドの現金化イベントIPOというのに尽きる。
この形態のIPOは、IPOが好調なときでも軒並み厳しい初値結果が続いている。

3月からの変更点は売出し数削減2,720,400→2,365,000株。想定価格2,080円→2,210円となっている。
主幹事としては半期分の成長で価値が上がったと判断か？
確かにセキュリティ関連の同業他社と比較すれば、割安感のある価格帯にはなる。

初値では良くても微増。ほぼ公募付近の結果が見込まれそうな銘柄で参加価値は少ない。
野村證券の力技で例えば売出価格2,250円→初値2,300円より上の可能性はあるが、
この条件で積極的に参加するかと言うとあまり見合っていないIPOという評価。

ただ、完全にD評価するには公募付近の可能性もあるので最終的にDに近いC評価とする。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です