クリーマ(4017)のIPO新規上場情報

SBI証券主幹事。値ガサ案件で規模感も大きめ。
VC出資豊富で売り出し多い、上場後も保有残る。概ねロックアップは1.5倍で解除。

ストック・オプションも回数多く連発。価格も安めだが総株数はVC1～2社分程度。10％程度。

業態の独自性などは評価できる。業績もを見ても成長性評価できる。

初値に関しては地合いによって大きくぶれそう。値ガサ案件なだけにハイリスク・ハイリターンになるため判断に悩むことになりそう。

業種は情報通信業なので、マザーズ中型ネット系といった評価は可能。個人的には応援したいし、こういうサービスは好き。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

SBI証券主幹事。新しいECとも言えるハンドメイドマーケット運営。
Webやアプリを通して、流通がシームレスになった。
日本は大手２社（minne/GMOペパボとcreema）の印象。

市場の伸びとしてはこれから期待できる産業とも言えるので注目は高い。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年2月度、連結予想EPSは40円。
想定価格3,250円から計算される予想PERは約81.25倍。

かなり強気の想定価格に、仮条件もしっかり強気となっている。
価格設定から見れば残念ながら割高感を感じる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約59.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSBI証券。

売出株式比率93.2%とほぼ売出しのイグジット臭のあるIPO。オファリングレシオは高めの標準レベル。
売出し元は複数のベンチャーキャピタルが約半分売り出す状況。

売り出した後もベンチャーキャピタルからの出資が多いため多くのVC持ち分が残る。
ロックアップはあるが1.5倍価格で解除となるため、株価が上がれば追加の売りに警戒。
（逆に言えばそれだけ期待されていた事業で、しっかり上場まで持ってきた点は評価できる）

ストック・オプションも連発しており、上場時には80万弱の株式が行使可能期間となっている。
行使価格も100～400円程度と想定価格に比べて10分の1程度。

需給面ではやはり相当数の売り圧力を感じることから、良いとは言えない。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

CtoC市場は新しい流通業界として魅力は高く、実際にサービスを見ても今後流行っていきそうな感触はある。
売上高も高い成長を見せており、上場後の認知度アップも考えればこれからに期待。

ハンドメイド市場がようやくインターネットやアプリと言った繋がりシステムを利用することで成長してきた。
あまり手に入らないものに希少性を感じることから「ハンドメイド」はその一つ。
生活様式として「ファスト系」「ブランド系」とさらに「ハンドメイド系」の新機軸は出来るかもしれない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPO視点で見た時に評価が非常に重要になりそうな銘柄。
事業の注目度が高く、SBI証券主幹事ということで攻めたい戦略性に富んだIPO。

ただし、やや割高感を感じる価格設定と売り圧力の強さにどう折り合いをつけるか？
市場の状況によっては公募割れまで見込まないといけないミドルリスク銘柄。

上値に関してはロックアップ1.5倍解除が見えているが、それでも値ガサなため1枚あたりの利益は高く見積もれる。
枚数が多いだけに複数配分のチャンスも高いことからリスクの高い賭けに出るかが勝負の分かれ目。

11月末のIPOの並びを考えると上場時期は悪くない。
個人的にはやや強気に攻めて良い銘柄と考えているが、手放しに推奨は出来ないそんな銘柄。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です