Chatwork(4448)のIPO新規上場情報

ビジネスチャットツール「Chatwork」提供元、社名も同じ。
ユーザー層を広げる時はほぼ無料だったが、現在は機能制限を付けて定額課金型と広告配信で収益を得る。

使い勝手やユーザー数は、この類のツールでは優位性あり。

連続赤字で苦戦していたが、黒字化で上場イグジットまで持ってくる。ベンチャーキャピタルなどからの出資豊富。ストックオプションも連発しており、売り圧力は強い。

吸収規模も大きく初値期待を抱きづらいが、この系統の話題性のあるIPO銘柄は結局結果を残している。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

「Chatwork」はビジネスチャットツールとして利用者も多く知名度は高そう。
当方も利用していたが、使い勝手は良いものの収益面では
うまく行ってなさそうな雰囲気があったのでその点が気がかり。

ただ、上場することによるメリットは高そう。
現在の状況が悪くても、ビジネス的に期待感が高い業種は買われやすい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2019年12月度、単体予想EPSは1.57円。
想定価格1,605円から計算される予想PERは約1,000倍以上。

PERから割安性の判断は不可能。
想定価格は想定仮条件1,440～1,770円から割り出しており、
仮条件1,440～1,600円は想定よりも上限が低いが大きく弱気ではないところは見ておきたい。
想定仮条件を最初から出すタイプのIPOは仮条件が弱気に見えることが多い。

上場が時期尚早な印象も否めないが、リスクとリターンが高めの企業に投資できるというメリットも有る。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約156億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証マザーズ。主幹事は大和証券。

売出株式比率92.9%と売出し豊富。VC勢が半数売出しという点がきつい。
オファリングレシオはやや高めも標準範囲で、時価総額が大きくなっている。
果たして上場時に時価総額ほどの評価ができるのか疑問。

半数の株を残すベンチャーキャピタル勢のロックアップは90日or1.5倍で解除。
上場時点でも半数売り出す通り、売り視点が強めでVC保有が多いのでロックアップ解除後は注意。

ストック・オプションもかなり多量で連発している。
すぐに行使可能となるSOが多く、資金繰りに苦労した感が伺える。
こちらもなかなかの売り圧力となりそうで、公募組にとっては懸念材料。

一番気になるのがこの需給面で、どちらかというと厳し目の印象。
知名度と期待度で、この吸収規模を支えるだけの買いが入るのか疑問。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ビジネス向けSNSツールは人気業態。今後さらなる浸透が予想され、活用の幅も広がる可能性。
Chatworkはその中でも利用している人が多く、先行しているのがメリット。

会社としてはChatworkをベースに企業セキュリティや、他の企業向けサービスも開発しており、
働き方改革において、今後も必要とされる感はある。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

BBスタンスが難解になるIPO。規模が大きいだけに公募取得の可能性が高く、
需給のリスクを取って参加するかしないかの判断が必要となる。

「注目度の高さ」と「需給の厳しさ」を天秤にかけて、どちらを取るかのタイプで参加姿勢を決めたいところ。
個人的にはIPOは「注目度の高さ」が大きいと思っているので参加姿勢だが、
人に積極的にオススメできる気もしないので、BBスタンスは微妙。

C評価に近いイメージだが、枚数が多いことで公募取得の容易さの妙があるので、
そこを加点してB評価として取り上げることにする。

長年のIPOファンは今までのプラスのあるので積極参加、新参的には様子見か？
恐らく予想会社なり個人の予想でも評価は強弱分かれそう。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です